甲斐:2ですね! けだもの男子って、相当自分に自信がないと言えないですよね!?
松尾:0…? というか、自分に(要素が)あるかどうかすらも、わからない…。「あったらいいな」という希望で、ないものねだりです(笑)。
杉野:女の子に優しいのはあるとして、一途なほうだと思うので、それで50%くらいは当てはまっています。男らしさですか? ほど遠い気が…。
全員遠慮がちな数字で、現実的なところでは低めのカウンターとなった。しかし、ドラマ内では、しっかりと「けだもの男子」と化し、見る者の胸をキュンキュンさせてくれる。
3人それぞれが魅力的な登場人物に扮したdTV×FOD共同製作ドラマ「花にけだもの」は、「Sho-Comi」で連載され、累計発行部数200万部を突破した人気コミックの同名映像化。主人公・久実(中村ゆりか)の転校先で巻き起こる恋を軸に、友情や青春模様が描かれる胸キュンMAXな学園ドラマになっている。
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杉野さんは、学園の女子の99%から好かれており、学生服からでも匂い立つような色香をふりまく、実に「けだもの男子」を体現した豹へと華麗に変身した。王子様の仮面を被った超プレイボーイという役どころからも、一見すると、現実離れしてみえるキャラクターだが、杉野さんが演じることで現実世界のリアル王子として降臨する。
杉野さん自身、台本を読んで戸惑ったと話し、「『こんな台詞を普通に言う人っていないよなあ…』と思いました。でも『言えない』と思いながらやると、現実的ではなくなってしまう。どれだけ自分に落とし込むかを考えました。演じているときは恥ずかしいという気持ちは全然ないんですけど、見ていると、僕も恥ずかしくなります(笑)」。確かに、杉野さんの端正な顔立ちから発するインパクトのある台詞の数々「まいったな。うれしくてどうにかなりそう」や「俺のものになってくれる?」などは、女子的悶絶シーンになること、間違いないだろう。
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そんな豹のターゲットになる久実にいつしか惹かれ、支える存在として暗躍する無口でクールな千隼を、松尾さんが担当した。「最初、すごく苦戦しました」と千隼のキャラクターについて言及した松尾さんは、「すごくクールで、大人っぽくて、何事も冷静に対処できる男だと思いました。画面に収まっているときは常に完璧じゃないといけないし、どう見せたら格好よくなるだろう、とばかり最初は考えていました。けど、撮影が進むにつれ、せっかくドラマなので、原作では見られないような僕なりの千隼を見せていけたらいいのかもしれない、という気持ちに変わっていきました」と、松尾さんがやるからこそ吹き込めた千隼の新たな魅力を覗かせる。千隼を演じる上で松尾さんが大事にしたという、相手を思いやり伝える言葉の節々には、どこか松尾さんの誠実さの片鱗を感じさせてくれる。
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3人の中でも一番「いそうだな」と思わせてくれる人物こそが、甲斐さんが演じた竜生だろう。明るくお調子者の竜生は、実際、撮影現場でもムードメーカーだったという話だが、それには理由があった。「普段の僕はひとりが好きでインドアだし(笑)、竜生みたいに、いつも笑っていて、明るくて、太陽みたいな男という感じではないんです。だから、自分の一番テンションの高いところ=竜生の通常時と思い、最初は無理をする感じでやっていました」と、役作りの過程を話した甲斐さん。
現場で過ごすうちに見つけた打開策は、「本番でいきなりテンションを上げるのが難しいので、撮影現場でベースを作っていこうと思いました。常に現場では竜生でいるように、意識してやりました」とのこと。ちなみに、お気に入りの竜生の台詞は、「(意中の)カンナ(入山杏奈)さんに他校の男子が絡むシーンで、『カンナさんに何をした』ってボコボコにして『100回死なす、いや、1000回ぶっ殺す!』って言うんです(笑)! 少年漫画みたいな台詞じゃないですか!? 僕、『仮面ライダー』をやっていたんですけど、同じ匂いがしました(笑)」。
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そう甲斐さんが言うと、杉野さんと松尾さんも「そうだね!」と朗らかに微笑む。「花とけだもの」の公式SNSにも公開されているように3人の仲睦まじさはお墨付き。現場の空気感について、杉野さんが「シーンについて話すこともありますし、メリハリはついていますね。コミュニケーションは普通に取れるしね?」とふたりに問えば、甲斐さんは「そう! 本当に高校生のような会話をしたりもするし」と言い、松尾さんも「無理せず自然体でいられるので、一番いい状態です」と、やはり息もぴったりだ。
ところで、「けだもの男子」度が低い3人は、果たして「何男子」なのだろうか。せっかくなので、近しい間柄だからこそ互いを表してもらった。
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甲斐:杉野くんは「不思議系男子」だと思う! そう言われない?
杉野:本当に思ってる(笑)!? 何で? 何で?
松尾:謎な行動をしてるとき、あるよねー。
甲斐:たまに何を考えているか、わからないときがある!
杉野:それはよく言われるかも。基本、そういうときは、何も考えていないんだけど。でも、不思議系はなんかうれしい(笑)。
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甲斐:松尾くんは、「スーパー真面目男子」。すべてにおいて、隙がない。
杉野:そうだね。隙を見たことがないかも。
甲斐:ファッションもオシャレだし、「残念」と思うところがない。完璧。
松尾:ありがとう。でも、実は運動神経が悪いんだよね。残念なところ笑。
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松尾:甲斐くんは、何なんだろう…? 一番難しい!
杉野:基本的には賢い人って思う。すごい大人っぽく見えることがあるんだけど、話を聞いていると「意外と子どもだなあ、かわいいなあ」って思ったりすることもあるから、「ギャップ男子」で、どう?
松尾:ああ、わかる。風貌とか基本的に大人っぽいことが多いから、最初見たときに19歳とは思わなかったしね。
甲斐:ふふふ。ありがとうございます。
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