1日(現地時間)、「指輪物語」シリーズの著書J.R.R.トールキンの最新作「Beren and Lúthien」(原題)が発売された。トールキンが第一次世界大戦のソンムの戦いから帰還した1916年から1917年に書かれたものだという。最後に出版された作品「The Children of Húrin」(原題)から10周年を記念しての発売となった。編集はトールキンの息子で現在92歳のクリストファー、イラストは「指輪物語」の表紙や映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでコンセプトアートデザイナーを務めたアラン・リーが手掛けている。内容はトールキンの著書「シルマリルの物語」にも登場する人間のベレンとエルフのルーシエンの恋と冒険を描いた物語。中つ国の歴史の中で“第一紀”にあたる時代で、「指輪物語」から約6,500年前を舞台に展開する。トールキン研究のスペシャリスト・ジョン・ガースは、この物語はトールキンが妻のエディスからインスピレーションを受けて書いたものだと「BBC News」に語っている。2人で森を散歩中、エディスは白い花に囲まれて踊った。その姿に喜んだトールキンは、物語のキーとなるシーンにも反映させたとジョンは考えているようだ。オックスフォードの墓地に眠るトールキンとエディスの墓石には、ベレンとルーシエンの名前も刻まれている。