特集ドラマ「絆~走れ奇跡の子馬~」の完成試写会が3月6日(月)、東京・渋谷のNHK放送センターで行われ、役所広司、新垣結衣、岡田将生、勝地涼、田中裕子が出席した。東日本大震災で傷ついた家族が、さまざまな困難と闘いながら、震災の日に生まれた子馬を夢の競走馬へと育てていく姿を描くスペシャルドラマ。父・雅之(役所さん)は長女の将子(新垣さん)とともに、震災で亡くなった長男の拓馬(岡田さん)が命がけで守った子馬・リヤンを競走馬に育てあげようとする。しかし、母・佳世子(田中さん)は悲しみから立ち直れず苦しんでいた。役所さんは「価値ある仕事ができた」としみじみ語り、「被災地の皆さんを少しでも元気にできればという思いがあったが、実際には(ロケ地となった)福島の方々から元気をもらった」と感謝を述べた。新垣さんも「南相馬は馬と人とのつながりが深く、街全体に熱い思いが生きている」と語った。また、子馬を育て上げる父娘を演じ「きっと視聴者の皆さんは、僕らより馬に目がいくと思いますよ」(役所さん)、「リヤンは本当に子どもなので、撮影中もじゃれてくるんです。生意気でかわいい。素直に守りたいと思える愛情が芽生えたのは、リヤンのおかげ」(新垣さん)と目を細めた。一方、若くして命を落とす拓馬を演じた岡田さんは「出番は短い分、濃密な時間でした」とふり返り、拓馬の親友・夏雄役の勝地さんは「現地では『震災を風化させないでほしい』という思いとともに、忘れたいと言う人もいらっしゃり、複雑な気持ちを感じた。僕自身、改めて考えさせられましたし、ぜひドラマを通して、ご覧になる皆さんも考えてくれたらうれしいです」と熱弁した。「震災から6年経ったいまを、もう一度見つめ直してもらえれば」と語るのは田中さん。ドラマに描かれる相馬の伝統ある野馬追祭りについて、「(津波で)塩にまみれた土を生まれ変わらせ、再び馬が走る姿はすごかったなと…」と感慨しきりだった。「絆~走れ奇跡の子馬~」は3月23日(木)、24日(金)NHK総合にて19時30分から放送(前後編)。