メイン会場で行われるコンペのプレス試写で(マスコミ優先だけど僕のようなマーケット登録者も入れる)、ハンガリーのイルディコ・エンエディ監督『On Body and Soul』(写真)からスタート。エンエディ監督は89年にカンヌのカメラドール(新人賞)を受賞しているベテランで、僕は過去作を未見だけれどもハンガリーの実力派監督と呼んでいいのではないかな。ちなみに女性監督。
会場を移動して、「パノラマ部門」で『From the Balcony』というノルウェーのセルフ・ドキュメンタリー作品へ。妻と二人の子どもに恵まれて幸せに過ごす30代後半の男性が、かつてスター俳優になりたかった夢を思い出し、人生とは何かを考察していく映像エッセイ。まっとうな撮影機材を用いていることと、様々な思考の過程をアニメで表現するパートを挿入するなどの構成も面白く、とても小さい作品ながらもどこかスケールを感じさせる作品で、これはなかなかの良作ではないかな。