国内映画賞の先陣を切って発表される「TAMA映画賞」が8回目を迎え、11月19日(土)に授賞式が開催。『オーバー・フェンス』と『団地』が最優秀作品賞を受賞したほか、オダギリジョー、蒼井優、三浦友和、小松菜奈ら豪華な面々が顔を揃えた。今年の映画シーンを盛り上げた秀作の監督、キャスト陣が一堂に会したこちらの授賞式。ひときわ、会場をわかせたのは『オーバー・フェンス』および『FOUJITA』で最優秀男優賞を受賞したオダギリさん。まずは登場するや、その奇抜な髪形で話し出す前から会場はどよめく。そして受賞の挨拶では「11月19日は、“あの”松崎しげるさんの誕生日です。まさかそんな日に僕がこのような賞をいただけるとは光栄です」ととぼけた挨拶で会場を爆笑に包む。さらに、挨拶の途中で「暑くないですか? ここ」と言い出し、40歳の節目を迎えての今後への抱負を求められても「わかんないですね、先のことは。やりたくない仕事をやってまで俳優をやりたくないのでどんどん狭めていけたら。人生、楽しければいいかなと思ってます」と飄々と語り、喝采を浴びていた。同じく最優秀男優賞(『葛城事件』『64-ロクヨン-』)に輝いた三浦さんは「オダギリくんの後はやりづらい…」と苦笑しつつ「11月19日は偶然ですが、私たちの結婚記念日です」と明かし、会場は拍手に包まれる。予想外の温かい反応に驚きつつ、三浦さんは「俳優を続けられているのも妻のおかげが大きいので、感謝したいです。帰ったら喜びを分かち合いたいです」と相変わらずの愛妻家ぶりを見せる。また、三浦さんは10代を多摩地方で暮らしており、同映画賞に不思議な縁を感じているよう。「日野高校で忌野清志郎に会い、彼は高校時代から天才だったんですが、それに気づかず、自分にもできるんじゃないかとミュージシャンを目指していました。『ほかのことをやったら?』と事務所を紹介してもらった」とこの地域に住んでいたからこそ、いま俳優をしていると強調し、会場は再び拍手がわき起こった。新進女優賞を受賞した、小松菜奈、松岡茉優のために、多摩市になじみの深いキティちゃんが着物姿で花束プレゼンターとして登場し、壇上でガッチリと抱擁を交わす。話題作への出演が続く小松さんだが、今後、演じてみたい役を尋ねられると「ハッピーな役も楽しいけど、重い暗い役もやれたらと思います」と語った。一方、『ディストラクション・ベイビーズ』で特別賞を受賞した柳楽優弥は、同じ質問に「ラブコメに出ていきたい! そういうイメージを作りたい」と明かし、会場をわかせる。『団地』で最優秀作品賞を受賞した阪本順治監督は「よくこんなおバカな映画に…(笑)。クソみたいな業界なので、おさらばしようと書いた脚本だったんですが…」とストレートな物言いで受賞の驚きを口にしていた。このほか、最優秀女優賞の小泉今日子(『ふきげんな過去』)、蒼井優(『オーバー・フェンス』ほか)、新進男優賞の村上虹郎(『ディストラクション・ベイビーズ』)、若葉竜也(『葛城事件』)らが出席した。【第8回TAMA映画賞受賞一覧】<最優秀作品賞>『オーバー・フェンス』『団地』<最優秀男優賞>三浦友和(『葛城事件』『64-ロクヨン-』)オダギリジョー(『オーバー・フェンス』『FOUJITA』)<最優秀女優賞>小泉今日子(『ふきげんな過去』)蒼井優(『オーバー・フェンス』『岸辺の旅』『家族はつらいよ』)<最優秀新進男優賞>村上虹郎(『ディストラクション・ベイビーズ』)若葉竜也(『葛城事件』)<最優秀新進女優賞>小松菜奈(『ディストラクション・ベイビーズ』『黒崎くんの言いなりになんてならない』ほか)松岡茉優(『ちはやふる』『猫なんてよんでもこない。』)<最優秀新進監督賞>前田司郎監督(『ふきげんな過去』)小泉徳宏監督(『ちはやふる』)<特別賞>『ディストラクション・ベイビーズ』真利子哲也監督、柳楽優弥『ジョギング渡り鳥』鈴木卓爾監督、スタッフ・キャスト一同