9月3日公開の『アスファルト』舞台はフランス郊外の古びた団地。車椅子の自称カメラマンと、夜勤の看護師。いつも留守番の高校生と、女優をやめたい女優。英語を話さない移民女性と、団地の屋上に不時着したNASAの宇宙飛行士。重たい曇り空の色がそこら中に滲んで、どこか寂しげな空気の中不器用な男女6人が織り成すドラマは身近な物語のようでいて遥か遠くの宇宙で起きている出来事のようにも思える。グレーがかった孤独な日々の中に、時折顔を出すユーモアが何ともいとおしく登場人物たちに舞い降りた “奇跡の出逢い” が、彼らを軽やかに変えていく。しばし地球の重力を忘れさせてくれる作品でした。