2月に決定する第88回アカデミー賞の俳優部門でノミネートされた20人が全員白人だったことが物議を醸しているが、アメリカ映画芸術科学アカデミー会長が投票に多様性を持たせるために会員を見直すと発表した。14日(現地時間)のノミネーション発表直後から、SNSには「#OscarSoWhite(オスカーは真っ白)」というハッシュタグを付きで今回のノミネーションに批判的な意見が寄せられ、シェリル・ブーン・アイザックス会長自身も映画サイト「Deadline」に感想を聞かれて「がっかりしている」と答えていた。アフリカ系女性として初めて就任したアイザックス会長は「今年候補になった作品の素晴らしさを認めたいと思います」としたうえで「それらの非凡な功績を称えつつも、私は多様性の欠乏について悲しさともどかしさを感じています。困難ですが、重要なことであり、いまこそ大きな変化のときなのです。アカデミーは会員の構成を変えるために劇的な段階を踏んでいきます。今後数日から数週間、2016年以降の会員に必要とされる多様性をもたらすため、新たな会員の見直しを行います」と声明を発表した。昨年に続いて、俳優部門の候補が白人ばかりだったことを受けて、ジェイダ・ピンケット=スミスやスパイク・リーが授賞式のボイコットを表明したばかりか、授賞式で司会を務めるクリス・ロックは「オスカー。BETアワード白人版」とツイートした。BETアワードはエンタメ、スポーツ界で活躍するアフリカ系アメリカ人やマイノリティを表彰する賞だ。現在の会員には年配の白人男性が多く、それが偏った選考になるのではという声は以前からあるが、では具体的に誰が投票しているかというと、アカデミー賞俳優部門で投票資格を持つのはアカデミー会員の俳優たちだ。作家のブレット・イーストン・エリスは「“アカデミー”(という組織)が俳優をノミネートするのではない。俳優たちが俳優たちをノミネートするのだ。このことを覚えておけ」と#OscarSoWhiteのタグを付けてツイートしている。