■クリスマスクリスマスシーズンは12月~1月6日。12月から街はクリスマスの雰囲気に包まれる。マドリッドでは例年、著名なデザイナーがプロデュースしたモダンなイルミネーションが楽しめる。また、各地にベレン人形が設置され、クリスマス・マーケットも始まり、特にマドリッドのマヨール広場やバルセロナの大聖堂前広場は大勢の人々で賑わう。スペインのクリスマスは、伝統、喜び、家族、ショッピング、グルメがテーマ。大晦日の夜は葡萄や鐘の音の伝統を楽しみ、一年に別れを告げ、有名な降誕情景の再現を見たり、東方三賢者を心待ちにする夢のような気分になれる■無原罪の御宿りの祝日12月8日は「無原罪の御宿りの日」で国民の祝日。セビーヤの大聖堂では、毎年この日を伝統的なロス・セイセスの踊りで祝う。 数世紀の歴史をもつ礼拝の儀式で、聖歌隊の男の子たちが大聖堂の中央祭壇の前で踊りを捧げ、また、前夜には無原罪の広場において聖歌合唱が行われる。セビリアの大聖堂では毎年この祭りを祝い、そのなかで伝統的なロス・セイセスの踊りが披露される。■マヨルカのシビル聖歌毎年12月24日のクリスマスイブにマヨルカ島の全教会で行われる伝統行事。目の前に剣を真っ直ぐ携えた少年又は少女が聖歌を歌いながら蝋燭を持った少年少女に囲まれ厳かに内陣まで行進し、歌い終わると剣で宙に十字架を描く。この行事はユネスコの無形文化遺産に登録されている。一人の少年の歌に最低二人の侍者が付添い、儀式では、歌が聞こえるよう、あらゆる世代の人が参加。中世の宗教的フォークロアの今も生きている一例だ。■大晦日スペインでは、家族と共に年越し前の夕食を終え、夜中の12時ちょうど、新年の鐘の音に合わせて12粒の葡萄を食べる習慣がある。時間内に葡萄を食べ終えると、翌年健やかに過ごせると言われている。また、観光客は時計のある市役所前の広場や大広場など、街角で年越しを祝う。特に有名なのがマドリッドのプエルタ・デル・ソルで、新年の花火と共に盛り上がる。