もしもこの世界を、ゼロからもう一度やりなおすことができたら?この問いに全力で向き合った舞台作品「ジェルミナル(GERMINAL)」がヨーロッパで絶賛されているという。「ジェルミナル」とは、「幼芽の…」や「未発達の」といった状態を表す言葉。何もない舞台上にはごく普通の男女が4名。ジェルミナルの言葉の意味が示す「すべてが失われた世界」で4名の男女はゼロからコミュニケーション手段を発明し、事物を発見し、分類し、組織して、社会と文明を形成していく。舞台を手がけたのはフランスとベルギーを拠点に活動するパフォーマンスユニット、アロリー・ゴエルジェとアントワンヌ・ドゥフォールのふたり。2012年12月に、フランスのリヨン・ダンスビエンナーレで初演されると、ダンスやアートの概念、あたりまえに暮らしている現代社会のありかたを笑いとともに鋭く問う作品として、大きな話題を巻き起こした。また、舞台の床を掘り返してしまったり、その穴に身体ごと潜ったりと、見たこともない斬新な演出手法の特徴の1つ。ジェルミナルの日本発上演は9月11日(金)~13日(日)の3日間にわたってKAAT神奈川芸術劇場で行われる。「Dance Dance Dance YOKOHAMA 2015」という、ダンスフェスティバルのプログラムにも関わらず、舞台上でのダンスシーンは一切ない。今までのダンス作品の常識を覆す、フル回転で「脳が踊る」かつてないダンス作品という点にも注目したい。[公演日]9月11日(金)19:30~9月12日(土)/13日(日)15:00~[会場]KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ