チェコで2010年5月に公開され、その年、『トイ・ストーリー3』などのハリウッド大作を抑えての大ヒットとなった『クーキー』。このほど、捨てられたパペット“クーキー”がゴミ捨て場から脱走しようとする、ゆるすぎてカワイイ本編シーンが解禁となった。本作は、チェコ伝統のマリオネットと、実際の森の中にロケセットを組んで撮影された実写が融合した、キュートなパペット映画。監督のヤン・スヴェラークも、「とにかく本物らしい作品にしたかったので、撮影も極力本物の自然の中で行うようにしました」と語る意欲作だ。今回届いた特別映像は、ゴミ捨て場に捨てられ、ショベルカーに潰されそうなったクーキーが、主人公の男の子オンドラの祈りによって、魔法のように動き出し、ゴミの山を駆け下って森の中に逃げ込む本編シーン。さまざまな動きが必要だった主人公の“クーキー”は、別バージョンのものを5体用意して撮影に挑んだが、狙い通りの動きがなかなか撮影できず、最終的には20体もの“クーキー”が制作された。とはいえ、クーキーのボディは、デザインを担当した「アマニタ・デザイン」のヤクブ氏が実際に使用していたベッドカバー(!?)だったため、20体目のクーキーで生地が足りなくなってしまったのだとか。また、撮影は、当初は30日間の予定が、前代未聞の撮影手法のため、最終的には100日以上におよび、撮影期間は2年に渡った。撮影スタッフも6名のクルーの予定だったが、最後には60人もの大所帯のチームになっていたという。ヤン監督は、「最初に考えていたよりも、はるかに大変な撮影だということがだんだん分かってきた。だけど、とにかく本物にこだわった作品にしたかった」と撮影が伸びた理由を説明している。しかし、ヤン監督は「苔の上に寝転んでパペットを使い、森の中で遊んでいた様なものだった」と、撮影の様子を楽しそうにふり返って語る。そんな苦労の甲斐もあって、今回解禁された動画では、自由自在に動き回る“クーキー”の滑らかな動きを堪能できる。なお、公開に先立ち、“クーキー”の世界を楽しめるイベントが8月8日(土)に「pual ce cin(ピュアルセシン)自由が丘店」にて開催されることが決定。ゲストによるトークショーや“クーキー”のキャラクター達と一緒に写真撮影も可能、“プラバン”で自分だけの“クーキー”キーホルダーを作れるワークショップが開催される予定だ。『クーキー』は8月22日(土)より新宿武蔵野館にて全国順次公開。