先日、主演を務めたマッツ・ミケルセン来日の興奮も冷めやらぬ中、ついに日本公開となったウェスタン・ノワール『悪党に粛清を』。このほど、マッツと、復讐に挑むヒロインを演じたエヴァ・グリーン、そして、2人の復讐の相手となるジェフリー・ディーン・モーガンが、ウェスタンにおける重要アイテムのコスチュームについて語る特別映像がシネマカフェに到着した。1870年代のアメリカ西部の開拓地を舞台に、妻子を殺されたことから孤独で壮絶な復讐劇に身を投じていく主人公を描く本作。孤高の主人公ジョンを演じるのは、“北欧の至宝”といわれ、TVシリーズ「ハンニバル」で新たな“レクター博士”としても注目を集めるマッツ・ミケルセン。先月の初来日の際、登壇イベントの会場には300人ものファンが押し寄せ、大きな話題となったことも記憶に新しいマッツは、この映像の中で「衣装のブーツとズボンを履くと、自然と銃を持ちたくなる」と語り、現代劇にはない特殊な設定ゆえ役者のテンションを高めるツールとして、セットと同様に衣装の重要性を語っている。また、もうひとつの復讐を果たそうと、男たちに交じって気高く生きる“声を失った”ヒロイン、マデリンを演じるのは、映画デビュー作で主演を果たした『ドリーマーズ』のイタリアの巨匠ベルナルド・ベルトリッチ監督をして、「美しすぎてわいせつなほど」と言わしめたエヴァ。ハリウッド進出作『キングダム・オブ・ヘブン』への出演はジョルジオ・アルマーニによる推薦がきっかけ、という経歴を持ち、「アルマーニ(ARMANI)」や「ディオール(Dior)」始め、数々の有名ブランドでモデル経験もある彼女は、コスチュームへのこだわりもとりわけ強い。「衣装デザイナーとの協力は欠かせないわ」と語るエヴァは、デザイナーに自分のイメージする写真をたくさん送ったりと事前準備を入念に行うことを明かす。ウェスタンでの衣装といえば、地味な色合いの褐色系ばかりと思われがちだが、本作で彼女が身に着ける衣装はデザインや色合いに留まらず、重ね着、小物づかい、タトゥーに至るまで、全体に気配りが行き届いており、“物言わぬ”ヒロインの内なる主張を本作独特の衣装からも感じ取ることができる。さらに、「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」「SUPERNATURAL スーパーナチュラル」など人気TVシリーズで重要人物を演じ、『ウォッチメン』など強烈なキャラクターに定評があるディーン・モーガンが演じるのは、町を牛耳る凶暴な用心棒で、ジョンとの避けられない対決を迎えるデラルー大佐。最も重要なアイテムは、「帽子」だそうで、表情を見せないためにツバを下げて目を隠すことで、極悪非道のキャラになりきることができたと明かしている。復讐が復讐を呼び、さらに新たな復讐を呼び起こす、果てなき死闘を描く本作。登場人物のコスチュームに目を向ければ、よりいっそう本作の世界に浸ることができそうだ。『悪党に粛清を』は新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。