アカデミー賞3部門受賞し、俳優・斎藤工も大絶賛していることで話題の『セッション』。この度、本編より緊張感あふれる「ウィップラッシュ」演奏シーン映像が解禁となった。ニューヨークの名門音楽大学に入学した若きドラマー、アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)。彼はフレッチャー(J・Kシモンズ)のバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になる、という彼の夢は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは、常人には理解できない“完璧”を求める狂気のレッスンだった――。アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされ、J・K・シモンズの「助演男優賞」を始め、3部門で受賞した本作。今回の特別映像では、スタジオ・バンドにて実際に演奏するニーマンと、指揮を振るフレッチャーの姿が公開となった。緊張感漂う空気の中に響く、ハイハットやドラムスティックの生々しい音。物々しいいでたちのフレッチャー教授の腕がリズムを刻み始めると同時に、バンド演奏が始まる。ここで演奏されているのは、本作の原題でもあり劇中で何度も演奏される「ウィップラッシュ(Whiplash)」だ。「Whiplash」の意味は“むちで打つこと”。むちを打つようなドラマーのスティックさばきと、フレッチャーによる苛烈なしごきをイメージさせるタイトルとなっている。映像内で演奏される「ウィップラッシュ」は、1973年にハンク・レヴィが作曲した楽曲。1927年生まれ(2001年没)のハンク・レヴィは、『フレンチ・コネクション』の音楽を担当したことも有名であり、“変拍子の神様”と言われたトランペッター、ドン・エリスのビッグバンドのコンポーザーとして、数多くの作品を残している。ミュージシャンの間では、一つの楽曲の中で目まぐるしくリズムの変わる曲作りを好むことで有名だった。本作は、監督・脚本を手掛けたデイミアン・チャゼルの自伝的な物語。音楽の才能に恵まれたチャゼルは、ニュージャージー州のプリンストン高校のバンドでジャズドラマーとして活躍したが、厳しい指導者のもとで苦悩の日々を送っていたという。当時、ドラムを叩くことが人生だったチャゼルは、「いつも怒鳴られるのではないかとビクビクしていたこと、初めて買った自分のドラムをイライラして殴り壊したことを今もはっきりと思い出す」と語っている。本作の予告からも強烈な印象を残す、フレッチャー教授の「早い、遅い、速度が違う!」という罵倒は、チャゼルが実際の高校生活を通して最も頻繁に耳にした言葉なのだという。本作のサウンドトラックは、発売週にはiTunesMusicStoreにてジャズ・チャートのトップ10圏内にもランクインし、公開に先駆けてサウンドトラックの発売を開始している劇場もあるほどの反響を呼んでいる。まずはこの映像から、狂気の“セッション”の世界を覗いてみて。『セッション』は、4月17日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。