イーサン・ホークを始めとする4人の俳優が、12年間、ひとつの家族を演じ続けた映画『6才のボクが、大人になるまで。』が、いよいよ11月14日(金)から全国公開となる。本作は、男女の出会いを絶妙なテンポのリアルな会話劇で描いた『恋人までの距離(ディスタンス)』から始まる、『ビフォア』シリーズを手がけたリチャード・リンクレイターが監督と脚本を務めた物語。子ども時代の感情や親としての思いが詰まった名セリフが続々と登場し、リアルでパーソナル、そして普遍的な家族の姿を見事に映し出していることが分かった。2014年2月、第64回ベルリン国際映画祭で上映されるや世界中を驚かせた本作は、6歳の少年・メイソンとその家族の変遷の物語を、同じキャストで12年に渡り撮り続けた画期的なドラマ。この、かつてない試みを実現させたリンクレイター監督は、同映画祭で2度目の「監督賞(銀熊賞)」を受賞した。あどけない6才の少年から18才の凛々しい青年へと成長していくメイソンを演じたのは、12年前にリンクレイターがオーディションで見出した逸材、エラー・コルトレーン。さらに、自分の夢を追いながら子どもたちを育ててきた母親役のパトリシア・アークエット、離別した父親役のイーサン・ホーク、姉役のローレライ・リンクレーター(監督の実娘)も、12年に渡り、それぞれの役の変化と成長を演じ切っている。子ども時代のパーソナルな感情や、表現しようもない微妙な経験を描きたいというリンクレイター監督の思いから始まった本作。だが、ひと口に“子ども時代”といっても、監督自身、当初はどこから始めるべきか、はっきり分かっていたわけではなかったという。やがて、監督の中にひらめいたのは、「すべてを描いてみたらどうだろう?」というアイデア。そこで、監督とイーサンやエラーらキャストたちは、毎年撮影のために集まっては自分たちの近況を話し、その一部を脚本に反映。かくして、誰もが身近に感じられる言葉の数々が詰め込まれることとなった。その一部を、抜粋してご紹介しよう。「頑張れ、人生は甘くない」――6才のメイソンが「ボーリングで柵付きレーンがあればいいのに」とぼやいた時に父親がかけたひと言「枕を間に挟んで、バリアを作って! 騒がない! 無言ゲームをしましょ。誰が一番長く黙っていられるか」――車の中でいくら言ってもふざけ合う、メイソンと姉を叱る母親のひと言「引っ越してもどうってことない。会いに行くよ。800キロ離れない限り、車を飛ばせばすぐだ。大丈夫。」――ある事情で引っ越すことになったメイソンたちに父親が話すひと言「フェイスブックの方が、会話より情報量が多い…」――思春期に突入した娘のフェイスブックを見た父親のひと言「彼女は音楽やゲームに興味ない。『トロピックサンダー』や『ダークナイト』にも」「いい方法があるぞ。彼女を質問攻めにして、その答えを熱心に聞いてやるんだ。そうすりゃライバルを引き離せる」――年ごろになったメイソンが父親に恋愛相談しているときの会話「どんな人間になりたいか、真剣に考えて。人助けをする思いやりのある人間か、自己中心的なナルシストになるか」――進路を迷うメイソンに対して、母が語りかけるひと言「メイソン、何になりたい? 何がしたいんだ? 誰でも写真は撮れる、だが君にしか撮れないものは?」――アートの道に進みたいと話すメイソンに、学校の教授からのひと言このほかにも、心を揺さぶる名セリフがいくつも登場する本作。あなたの心に染みるひと言を、ぜひ劇場で探してみて。『6才のボクが、大人になるまで。』は11月14日(金)からTOHOシネマズシャネテほか全国にて公開。
イーサン・ホーク&ペドロ・パスカル×ペドロ・アルモドバル監督の短編映画『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』7月公開 2024.5.10 Fri 12:00 ペドロ・アルモドバル監督作『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライ…