今年のノーベル平和賞は、パキスタン人の少女、マララ・ユスフザイさんが受賞。17歳という史上最年少受賞が日本でも話題となったが、パキスタンでの反応は意外にも冷ややか。ノーベル平和賞の選考には、欧米の価値観に基づいた思惑が色濃く表れると言われ、今回の受賞には、世界の目をイスラム過激派が潜伏するパキスタンに向けさせたいとの思惑が見てとれる。しかし、アメリカによる対テロリストの空爆が続き、一般市民が巻き添えになることも少なくないパキスタン国民にしてみれば、そうした欧米の思惑はむしろ迷惑。マララを広告塔にして問題をさらに悪化させると案じているのだ。
今年の平和賞はもう一人、インド人のサティヤルティさんにも贈られている。パキスタンとインドという紛争地帯を抱える両国の出身者に、平和賞を同時に贈るとことには、また別の思惑があると池上は解説。ほか、ノーベル平和賞の特徴や、歴代受賞者を紹介。インドの人権活動家、マハトマ・ガンジーが5回も候補に上がりながら受賞できなかった理由や、1973年に起きたノーベル平和賞最大の事件などに触れながら、ノーベル平和賞に反映される世界の情勢と今を考える。
■『ここがポイント!!池上彰解説塾』
2014年11月10日(月) 21:00~21:54(テレビ朝日系列)
【ニュース解説】池上彰
【進行】宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】市毛良枝、石原良純、カンニング竹山、坂下千里子、千葉雄大、吉本実憂
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