台湾の高雄映画祭に行ってきました。『神様のカルテ2』が同映画祭のクロージング作品に選ばれたので深川栄洋監督とご一緒させて頂きました。台湾では「台湾金馬奨」が最大の映画祭なのですが、高雄映画祭はその金馬奨に次ぐ規模の映画祭だそうです。クロージング上映に先駆けて1日早めに入って短編部門の表彰式セレモニーに参加させてもらいました。僕も短編は久々に観る感じでしたが、会場で流された受賞作品のクォリティの高さには深川監督ともどもとても驚きました。今は技術的にはプロとそれほど遜色ないレベルでの撮影や編集ができるので普通に映画館で上映できてしまうようなものばかりでした。環境問題を意識した作品に贈られる「GREEN SOS AWARD」を受賞した『The Free Man』という作品なんかは画面ではアイロンをかけているおじさんをひたすら映してオフでどうやらその横で行われている口論を聞かせて段々と危うい雰囲気が醸し出されていくといったもので、その先がどうなるのか気になって仕方ない作品でした。(会場では映像の一部しか見れなかったので)授賞式のあとのパーティーでは深川監督に日本の制作会社の方や台湾のプロデューサーなどと交流をしてもらいました。会場には学生さんなんかもいっぱいいたので、本当はそんな未来の映画監督たちとも触れ合ってほしかったのですが、なかなか時間もなく会場を辞しました。翌日のクロージング上映は高雄の新しい大京文化芸術センターというホールで行われました。上映前には現地の配給会社の方に色々と高雄の街を案内してもらってもいたので気分はすっかり高雄人で上映に臨みました。深川監督の舞台挨拶は上映前と上映後の2回で、上映後の方はお客さんとの質疑応答もあり「もし“3”が出来たら一止達の子どもは出てくるのか?」といった質問もありました。さらにティーチイン終わりではロビーでサイン会も行われたのですがこの時のお客さんの行列がスゴくて、300人近い方々が並んでいました。会場のキャパが450名だったので、殆どのお客さんが残ってくれたということですね。先日同様に行われた某俳優さんよりも多かったそうです。深川監督のイケメン効果もさることながら、これは映画自体がとても好意的に受け入れられた証拠だと思います。監督は腕がタイヘンなことになっていましたが、とても嬉しかったです。『神様のカルテ2』は宣伝も担当していたので海外の映画祭にもアテンドさせて頂けるなんて本当に光栄なことでした。今回の高雄映画祭のクロージングにこの作品が選ばれたのにはある理由があったそうです。実は今年の8月に高雄で大きなガス爆発の事故があり多数の被害者が出てやや沈痛ムードだったのですが、そんなムードに少しでも希望を与えるような作品をということで「HOPE LAND」という枠で『神様のカルテ2』に白羽の矢が立ったとのことでした。映画にそういう力を感じてくれること自体がとても嬉しいです。上映終了前に少し早めに舞台に入って映画のエンディングも観たのですがやっぱり本当にイイ映画だなぁとしみじみ思いました。上映後のティーチインでお客さんと監督が嬉しそうに交流してるのを見たときにはさすがに目頭が熱くなりました。宣伝担当をしている時には公開初日を迎えると映画が我々の手から離れてあぁ終わったなぁと感じていたものですが、今回こうやって海外映画祭とかに来てみると映画に終わりはないんだなということを感じました。映画は続くよ、どこまでも。野を超え、谷を越え、どこまでも付き合っていきたいと思います。【2014.11.6】