先日公開を迎えた鬼才ラース・フォン・トリアーの問題作『ニンフォマニアック』。シャルロット・ゲンズブールを主演に迎え、女性の“セクシュアリティ”を大胆に描いた本作から本編映像がシネマカフェに到着した。凍えるような冬の夕暮れ、年配の独身男・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけた。彼は自分のアパートでジョーを介抱し、回復した彼女に尋ねた。「いったい何があったんだ?」するとジョーは自身の生い立ちについて赤裸々に語り始めた。それは、幼い頃から“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験してきた女性の驚くべき数奇な物語だった…。自らを色情狂と認める女性ジョーの「性」の旅路を、8つの章で描いた本作。『Vol.1』が先日公開されたが、SNSでは「面白かった」「フォントリアー入門作としても最適」「『Vol.2』を早く観たい」など絶賛の声が上がっている。その中で公開された今回の映像は、第3章のユマ・サーマン演じるH夫人の乱心シーン。色情狂のジョーの行動はいともたやすく、家庭を崩壊させるに値するものだったが、悪びれる様子もなく淡々としている。ジョーを演じるステイシー・マーティンに向かって「これほど残酷な人はいないわ。20年かけて織り上げた愛を引き裂くなんて冗談なんかじゃ済まない」と感情的になるユマは、子どもたちの居る前で叫び狂い、取り乱す。全編至るところに盛り込まれた過激なセックス描写にとどまらず、物語、映像、演技、ディテールのあらゆる面で、前代未聞のサプライズに満ちた本作は、トリアー作の中でも娯楽性豊かな“喜劇”ともいえる作品に仕上がっている。そんな本作に集結したのは、シャルロット・ゲンズブール、シャイア・ラブーフ、クリスチャン・スレイター、ウィレム・デフォー、ジェイミー・ベル、ステラン・スカルスガルドなど錚々たる役者たち。トリアー渾身の作品で新境地を開く俳優陣をぜひ劇場でご覧あれ。『ニンフォマニアック Vol.1』は公開中、『Vol.2』は11月1日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開。