映画化もされた「八日目の蝉」など女性から絶大な支持を集める直木賞作家・角田光代の同名ベストセラー小説を、宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、小林聡美ら錚々たる豪華キャスト陣で映画化した『紙の月』。このほど、いち早く本作を鑑賞した黒木華、小池栄子、橋本愛、萬田久子ら実力派女優4名から寄せられたコメントが収められた第2弾チラシのビジュアルが、シネマカフェにて解禁となった。舞台は、バブル崩壊直後の1994年。夫(田辺誠一)と2人暮らしの主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしていた。顧客受けもよい梨花は一見、何不自由ない生活を送っているように見えたが、夫婦の間には空虚感が漂っている。そんなある日、梨花は年下の大学生・光太(池松壮亮)と出会い、つい顧客の預金に手をつけてしまい…。平凡な主婦が起こした巨額横領事件を題材に、日本アカデミー賞「最優秀作品賞」を受賞した『桐島、部活やめるってよ』の鬼才・吉田大八監督がメガホンを握る本作。ひとりの女性が“聖”と“悪”の両面を抱えながら堕ちていく様を、吉田監督独特の映像センスで、スリリングに描き出していく。舞台・映画・ドラマと幅広く活躍し、いまや日本を代表するトップ女優ともいえる宮沢さんが「濃密な現場だった」という作品だけに、すでに本作を鑑賞した各世代の実力派女優たちも賛辞を贈っている。<黒木華(女優)>控えめに暮らしていたはずの彼女が、罪を重ねるにつれ、自由に、そして美しくなっていく様子に心を奪われました。彼女の大胆な美しさは、宮沢りえさんが演じているからこそ、より魅力的に見えた気がします。ラストシーンの彼女が、私には現実との戦いに向かうように見えました。<小池栄子(女優)>彼女が喜び、笑い、美しく輝くほど、胸が苦しく辛かった。人に求め、必要とされることが生きる喜びなんだと改めて感じ切なかった。日常に染まる宮沢りえさん、儚くて本当に美しかった。<橋本愛(女優)>梨花が静かに狂ってく様は飴玉を欲しがる子供のように見えたし、欠けた細い月が申し訳なさそうに光ってる姿が満たされない淋しい女みたいで、ずっと心臓がうるさかったです。吉田監督のドライで優しい視点がすごく好きです。<萬田久子(女優)>魔がさす…邪念を抱く!!そんな単純な前兆ではない。小気味良かったり。壊れたり。我々の計り知るしたたかな不思議な窓をそっとずっと覗いていたい。※以上、五十音順さらに、原作の角田さんからも本作へ応援コメントを寄せている。<角田光代(原作者)>逃げる彼女に、私は叫びそうになった。逃げろ逃げろ、逃げおおせろと。狂気すら感じさせる彼女は、この現実社会で、因と正義を背負った私から、無自覚に抱く「こうあるべき」を取り去って、棄ててしまえとばかりに走っていくかに見えたのである。爽快だった。物語を書いた張本人でさえ、主人公・梨花のその狂気に共感してしまう、宮沢さんの熱演ぶり。今回、解禁となった第2弾チラシビジュアルでは、宮沢さんが光を浴びながら空を見上げる写真が収められている。その視線の先に彼女は何を想っているのだろうか?『紙の月』は11月15日(土)より全国にて公開。