鬼才ラース・フォン・トリアー監督がシャルロット・ゲンズブール、シャイア・ラブーフ、ユマ・サーマンらを迎えて挑む問題作『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』から、このほど、いずれも生々しく意味深で、インパクト大のチラシビジュアルが到着。異例ともいえる3パターンも製作されていたことが分かった。凍えるような、ある冬の夕暮れ。年配の独身男・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけた。自分のアパートでジョーを介抱した彼は、回復した彼女に「いったい何があったんだ?」と尋ねる。やがて、ジョーが語り始めたのは、幼い頃から“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験し、自らを“色情狂”と認めた女性の驚くべき数奇な物語だった…。先日の公開決定の際も、シャルロット・ゲンズブールの裸体が踊る過激かつセンセーショナルな劇中ビジュアルが議論を呼び込んだ本作。『アンチクライスト』『メランコリア』の鬼才ラース・フォン・トリアーが次に挑んだのは、女性の“セクシュアリティ”。シャルロット演じる女性ジョーの8つの章に渡る“性”の旅路を、赤裸々かつ大胆に描き出していく。今回到着した3点のチラシビジュアルもまた、過激で意味深で、美麗なものばかり。それぞれに書かれたキャッチコピーが、作品へのさらなる興味を駆り立ている。まず、ポスターにも採用された1つ目のビジュアルは、シャルロット始めシャイア・ラブーフ、ユマ・サーマン、ジェイミー・ベル、クリスチャン・スレイター、ウィレム・デフォーら豪華9名の出演者たちの顔のアップに、「性に目覚め、性に溺れ、愛を忘れた。」とまるで主人公・ジョーの思いを吐露するかのような文字。ある者は恍惚し、ある者は苦悶ともとれるような生々しい表情で思わず目を奪われてしまい、シンプルかつ分かりやすく、作品の主題を表すものとなっている。2つ目のビジュアルには、教室内にいながら、無機質な文房具で痴情にふける女性の姿が。背徳の中の恍惚の表情とは対照的に、整然としたシンメトリーのデザインが記号のように女性自身の性を暗示させているビジュアルで、その中で「愛なんて、教わっていない。」と言い切る力強いコピーが際立つようになっている。さらに3つ目のビジュアルには、1つ目の登場人物たちがまるで絵画のように意図的に配され、みんな、己の世界に没し、それぞれの欲に身を委ねているかのよう。一見、滑稽に見えるこの光景は、世界の縮図なのか。「愛とは、嫉妬交じりの強い性欲に過ぎない。」という言葉には、愛に対する絶望だけでなく、本作への主題へと迫る道しるべが隠されているかのようだ。タイプが異なりながらも、本作のテーマと世界観がそれぞれに凝縮されたこの3つのビジュアル。あなたなら、まず、どのパターンを手に取ってみる?『ニンフォマニアック Vol.1』は10月11日(土)より、『Vol.2』は11月1日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国にて公開。