アメリカの「ディズニーランド・リゾート」および「ディズニーワールド」での無断撮影により製作されたと話題の『エスケイプ・フロム・トゥモロー』のトークイベントが7月17日(木)に行われ、来日中のランディ・ムーア監督、デーブ・スペクターらが出席した。“ディズニー非承認”と謳われた本作。会社をクビになった中年男・ジムが2人の子と口うるさい妻を連れて“あの”夢と魔法の国へと遊びにやって来たことで展開する妄想であふれた悪夢を描き出すブラックファンタジーとなっている。この日はメディア研究者で関東学院教授の新井克弥も交えてトークセッションが展開された。ムーア監督は弟が日本に住んでいるということもあって、現在、3度目となる来日中。本作は、主要キャスト4人がごく普通の家族(父・母・子ども2人)を装い、一般客のふりをして撮影されたが、ゲリラ撮影だけあってストレスも多かったようで「体重が減りました」と苦笑交じりに語る。撮影終盤には、何度も同じ動きを撮影するなどしたことで、警備員に怪しまれたこともあったとか。ムーア監督は「子役の子は8歳でしたが、機転の利く子ですぐに『トイレに行きたい』と言い出して、そこで怪しまれやすいマイクなどを取り外し、すぐにパレードが始まったことを利用して難を逃れました。怪しまれても、役の家族のままで対応してくれたことで非常に助かりました」と明かす。デーブさんは、撮影に一眼レフのカメラ、音声録音に小型のICレコーダーが使用など、日本製の機材が使用されていることを紹介。「見たことのない映画になっている」と称賛を送る。新井さんも「テーマはイマジネーションであり、創造と妄想の対決となっている。これはウォルト・ディズニーの精神そのもの。監督はディズニーをものすごくリスペクトし、勉強している。(ディズニーランドで働く)キャストの方にも納得してもらえる作品になっていると思います」と決して、ディズニーを挑発したり貶めるような作品ではないと強調した。『エスケイプ・フロム・トゥモロー』は、7月19日(土)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて期間限定公開。