公開以来、空前の賛否両論を巻き起こしている中島哲也監督の最新作『渇き。』。「とにかくヤバい!」との若者の声がメディアでは多く取り沙汰されているが、本作は大人の心も強烈に揺さぶる“劇薬エンタテインメント”でもある。これまで多くのしがらみを乗り越えてきた大人たちでさえも、胸をかき乱されてしまっているのだ。その中のひとり、フジテレビの笠井信輔アナウンサーは、リーアム・ニーソン主演の『96時間』を引用しながら、「『中島版96時間』と見る向きもあろうが、リーアム父さんのようなカッコよさはみじんもない役所さんのダメ親父ぶりが、見る者を萎えさせる」と斬る。しかし、「オヤジ復活アクションというよりは、むしろタランティーノと韓流バイオレンスをミックスしたような過激な描写の連続に、凝りに凝った映像と時制を崩した巧みすぎるコラージュ編集で見る者を離さない画力が大いなる魅力」と、映画通ならではのコメント。そして「渇きを自覚することは、この世で生きることはつらいということを認めること。潤いのある(喜怒哀楽のある)生き方とは程遠い“渇きに無自覚”な人間たちに、渇きがわかるか!」と、監督の思いを代弁するかのような熱の入れっぷりで、すっかり“劇薬”の『渇き。』中毒になってしまったようだ。また、ネット上の一般の鑑賞者からも、「1回じゃ絶対理解できない。早く2回目を観ないと、とも思わせる。この中毒性…私が狂っているのか。ぶっとんだ最悪な先に見える、何かを感じられれば、この作品にとっては本望なのかもしれない」と、やはり“劇薬”の中毒性に触れたコメントも。さらに、「まともな感覚でこの映画を観ると、確かに大きなしっぺ返しを招く。だったら、どこまで理性崩壊させる様に見せるのか? そういう視点で鑑賞して正解でした」「理解するものではなく感じる映画」「脳に直接パンチされたかのような作品」と本作の魅力にしびれた“賛”の声も相次ぎ、小松菜奈が演じた加奈子に「最高のトラウマ怪物キャラクター」、オールスターキャスト陣を称える「全ての演者の沸点を見た」といった声も聞こえている。ほかにも、たくさんの各界を代表する著名人から、喜び悶えるコメントが寄せられている本作。さて、あなたは、賛否のどちらに行き着くことだろう。田原総一郎(ジャーナリスト)魔性の女に魔法をかけられた男と女。それは正義か非道か…。自由と不自由の間でうごめく理性と本性を、個性派俳優がテンポよく演じていて、最後まで目が離せない。樋口真嗣(映画監督)『渇き。』どころか役所広司さんから迸るエネルギーのシズルを浴びまくり打ちのめされました。このタラフクなお腹いっぱい感、最悪なのに最高です!中森明夫(作家・コラムニスト)ぶっ飛んだ。酔っぱらった。打ちのめされた。史上最凶最悪なクズオヤジ=役所広司が大暴れする。橋本愛、二階堂ふみの現代最高の美少女らに導かれ、ヒロイン=小松菜奈が降臨する。その瞬間の驚き。目がくらんだ。史上最凶の美少女。断言しよう。女優・小松菜奈の登場は一つの大事件なのだ! これは現代の不思議の国のアリスの冒険である。ウサギ穴に落ちるのは少女アリスではない。我々観客の理性なのだ。渇いている者たちは、絶対にこの映画を観なければならない!!乙一(作家)これ、今年一番、かっこいいやつです。しびれました。言葉が出てきません。園子温(映画監督)鬼気迫る演技が、画面にほとばしる! 堕ちる時の、落下感!EXILE HIRO(アーティスト)人間の持つ“天使”と“悪魔”の振り幅が360度回って同化してしまいそう。なんとも言えない生臭さが心にグサグサ刺さります。犬童一心(映画監督)とんでもないものを観れた幸せに満たされました。21世紀の人間を刻印する傑作!鈴木おさむ(放送作家)すんごい!!! とんでもない!!! 僕は大好きです!!!品川祐(品川庄司)前の席にいた女性は「何も面白くない」と言っていた…。僕は大好きで、興奮していたので、えっ嘘でしょ、と耳を疑ったが…。映画って、そういうもんなんですよねぇ。山里亮太(南海キャンディーズ)思った以上に気持ちがどんよりした…。小松菜奈さんが凄かった…。『渇き。』は、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開中。