アサイヤスの『カルロス』や、ジェーン・カンピオンの『Top of the Lake』(13年のTVドラマ)や、ショーン・ダーキン(『マーサ、あるいはマーシー・メイ』の監督)の『Southcliffe』など、最近有名監督がテレビ用に作ったドラマをまとめて映画祭で上映する企画が流行っている。トーキョーでもやってみたい…。
続けて17時から、これまた「監督週間」の『Love at First Fight』(原題:『Les Combattants』)というフランス映画で、同部門で複数賞を受賞した作品の再上映へ。軍に入ってサバイブする技術を取得しようとする風変りな女性と、彼女に惚れて一緒に陸軍の体験キャンプに参加する青年とのラブ・ストーリー。主演のアデル・エネル嬢が強気で愛想の無い女性を演じて、とても魅力的。
そして、ダルデンヌ兄弟『Two Days, One Night』が無冠だったのも残念、というか不可解。ダルデンヌにはパルム・ドール以外はあげてもしょうがない、という判断が働いたのかも。主演のマリオン・コティヤールにしても、既にアカデミー賞女優であるわけだし、今さらカンヌの女優賞でもないだろうという判断が働いたとしても理解は出来なくはないのだけど、それにしても今年のコンペで最も優れた作品のひとつであったのは疑いないわけで、んー、映画祭の賞というのはかくも難しい!
そして、いよいよ今年のカンヌで見る最後の作品は、20時から「特別上映」に出品されていたアンドレ・テシネ監督の新作『In the name of my daughter(仏題はL’ homme qu’on aimait trop)』。主演にカトリーヌ・ドヌーヴ、ギヨーム・カネ、そしてアデル・エネル。30年前に実際に起きた、南仏のカジノ経営者の娘が失踪した事件を映画化したもの、とのこと。