『ダージリン急行』のウェス・アンダーソン監督最新作『グランド・ブダペスト・ホテル』の試写会が5月7日(水)に都内で開催。上映後には同監督作の大ファンだというイラストレーターの石川三千花、ジャーナリストの萩原麻理によるトークイベントが行われた。レイフ・ファインズにエイドリアン・ブロディ、エドワード・ノートン、ジュード・ロウら豪華スターが集結した本作。ヨーロッパ最高峰の格式を誇る「グランド・ブダペスト・ホテル」を舞台に、伝説のコンシェルジュが謎の連続殺人事件を解決すべく奔走するのだが…。石川さんは、この日で3回目の鑑賞となったが「飽きないし、観るたびに好きになる」と語る。ファッションから美術まで、細部にわたり監督の意向が反映されており「観るたびに新しい発見がある」という。しかも「一つ一つのアイテムが、ただオシャレなだけでなく物語の中で意味を持っている」とも。アンダーソン監督自身はアメリカ出身だが「自分がヨーロッパンに行ったときに、キレイ、かわいいと思ったものを取り入れている」と荻原さんは分析。石川さんは「アメリカ人でこのセンス! ティム・バートンも好きですが、ティムがアートの方向に行くけど、ウェスは普通に私たちのレベルでオシャレ。ファッション雑誌のようなんです」とウットリ。個性的なキャラクターが紡ぎ出す物語も魅力的だが、萩原さんはアンダーソン監督の脚本執筆の手法に言及「最初にストーリーではなく、キャラクターを作る。そこに一つ一つ意味がこもるんだと思う」と解説する。石川さんは「ウェスの感覚を具現化していく周りのスタッフは大変だと思う」と製作現場に思いを馳せる。イラストレーターの視点で、ビジュアル面でも本作は見るべきポイントが尽きないよう。ホテルの外観のピンクの美しさ、左右対称で展開する構図、物語の時代によって変化する画面の大きさの比重など、様々なポイントに触れ「何回も見直すと味わいが深くなる。いろんな見どころが押し寄せてくると思います!」と視点を変えて複数回見るべきと訴えた。なおこの日の上映は、アンダーソン監督から日本のファンへのサプライズプレゼントとして、無料上映会という形で開催された。さらに今後、facebookに映画の感想を投稿することで“友達”を試写会に招待できる“友達リレー試写”、友達を自分で集めることで少人数で自分自身が主催者となって試写会を開催できる“プライベート試写”を実施していく予定だという。『グランド・ブダペスト・ホテル』は6月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて公開。
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