SNSで起きた事件をきっかけに表出した、現実での繋がりの希薄さを埋めていく人々を追ったサスペンスフルな群像劇を描いた映画『ディス/コネクト』。ネット社会への警鐘と再生への希望を描いた本作で俳優デビューを飾ったファッションデザイナーのマーク・ジェイコブスが、いつもの“お洒落”を封印して挑んだ出演シーンの様子がシネマカフェに到着した。ある少年が、SNS上で起きた嫌がらせが原因で自殺未遂を起こし、意識不明になってしまう。仕事ばかりだった彼の父親は、息子の自殺の原因が全く分からず困惑する。一方、嫌がらせを起こしていた少年は、父子家庭の寂しさと、躾に厳しい父親に愛情を感じられず、鬱屈した思いを抱えていた…。圧倒的な力を持つオリジナル脚本に心を打たれ出演を快諾した、『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ベイトマン、『ザ・イースト』のアレキサンダー・スカルスガルド、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のポーラ・パットンら豪華キャストたち。その中で、違法ポルノサイトで働く少年たちを束ねるボス・ハービー役で出演しているのが、本作が俳優デビューとなるマーク・ジェイコブスだ。今回届いたのは、彼の普段の姿からは想像もつかない“ダサい”ファッションと、俳優としての表情が垣間見られる出演シーンの写真。もともと、ハービー役は本作のヘンリー=アレックス・ルビン監督の友人が演じる予定だったそうだが、撮影2週間前に降板。そこでルビン監督は、以前自身の短編にカメオ出演していたジェイコブスにオファーしたという。「彼のコメディのタイミングがよかったことを思い出したんだ。いいタイミングをしているということは、直観力に優れているということで、直感力に優れているということはたいがい、いい俳優になるということだから」とルビン監督は抜擢の理由を語る。しかし、ハービーのような“いかがわしい”役を演じることにジェイコブスは躊躇しなかっただろうか? その点について監督は「彼は人がどう思うか気にしないんだ。『やってみよう。今までやったことがなかったから』って感じだったよ」と、ジェイコブスのオープンマインドぶりを称えた。だが当のジェイコブスは、劇中の衣装にはすっかりまいってしまったそう。「十字架が刺しゅうされた趣味の悪いディスコシャツに、アシッドウォッシュで股上の深い“お父さんジーンズ”。僕はそもそもデニムを履かないしね…」と、ちょっぴり閉口気味?「キャバレーの踊り子姿の僕を見ても眉ひとつ動かさなかった僕のデザインチームが、映画の衣装を身に付けた僕の姿に笑いが止まらなかったよ」とも。普段のスタイリッシュさとは無縁の服装にも耐えながら、ジェイコブスが演じたネットポルノの元締めハービー。彼の元へ集まるのは、学校にも行かず、孤独を抱えながらどうにか生活する術を模索している少年少女たちだ。ジェイコブスは、そんなハービーについて「最終的には悪いヤツじゃないんだ」と話す。「彼は子どもたちを守っているようなものだから。ハービーが彼らにさせるのはバーチャルなことだけで、売春やドラッグをやらせるわけではない。まぁ、いかがわしさはあるけどね」と演じた役柄について分析する。普段の優雅な温和さやセクシーさもどこへやら。怒鳴り、声を荒げるような気性の荒さを見せる役に挑戦したジェイコブス。ネット社会の闇を描き出す本作のドラマ性を、いっそう深く掘り下げる彼の初演技に注目してみて。『ディス/コネクト』は5月24日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。
アレキサンダー・スカルスガルド、悩める“地味サラリーマン”を熱演!『ディス/コネクト』 2014.5.8 Thu 18:15 いま多くの人が少なからず感じている、TwitterやFacebook、LINE…