1970年代に世界中を席巻したポルノ映画『ディープ・スロート』の主演、リンダ・ラブレースの衝撃的な半生を描く、アマンダ・セイフライド主演の最新作『ラヴレース』。伝説的ポルノ女優のリンダ役を、『レ・ミゼラブル』の清純な印象が残るアマンダが体当たりで演じていることでも話題の本作だが、このほど「セックス・アンド・ザ・シティ」(以下、SATC)のサラ・ジェシカ・パーカーの全出演シーンがカットされていることが明らかとなった。1972年、『タイタニック』の興行収入に匹敵するとまで言われたほど、アメリカのポルノ映画史上空前絶後の大ヒットとなった『ディープ・スロート』。この映画は一般の映画館でも上映されたことで女性たちからの注目も集め、主演を務めたリンダ・ラヴレース(アマンダ・セイフライド)は一躍、“時の人”となった…。本作には、借金のためにリンダをポルノ映画に出演させた夫・チャック役として『17歳の肖像』のピーター・サースガードや、信仰心の深い母親・ドロシー役を熱演するシャロン・ストーン、そして「プレイボーイ」誌の名物編集長ヒュー・ヘフナー役のジェームズ・フランコ、リンダを取材する女性ジャーナリスト役のクロエ・セヴィニーなど豪華なキャストが集結しているが、出演シーンをバッサリカットされてしまったサラ・ジェシカが演じたのは、時のポルノ女優から女性活動家へと転身したリンダの有力な支援者となったフェミニストの主導者、グロリア・スタイネム役だ。実は撮影終了後、監督のロバート・エプスタインとジェフリー・フリードマンの決断により、グロリアが登場する1984年より前の1980年を持って物語を終わらせることになり、サラ・ジェシカの出演シーンを泣く泣く全カットすることになったのだとか。清純派イメージを覆したアマンダの大胆な演技と、シャロン・ストーンの『氷の微笑』とは別人のようなお色気封印の本気演技にプラスして、「SATC」の性に奔放なキャリーのイメージが強いサラ・ジェシカの新境地となる役柄の化学反応が楽しみだっただけに、今回のカットは何とも残念。しかも、本作には『ディープ・スロート』のプロデューサー役で「SATC」の“ビッグ”ことクリス・ノーツも出演しており、もしかしたら「SATC」カップルの夢の共演が実現したかもしれず、幻となったサラ・ジェシカの出演には海外ドラマファンならずとも溜息が出ることになりそうだ。『ラヴレース』は3月1日(土)よりヒューマントラスト有楽町ほか全国にて公開。