オーストラリア人デザイナーによるバリ発のヴィヴィッドでありながらヨーロピアンテイストを持つ子ども向けファッション・ブランド「coco and ginger」の日本総代理店を務めるバーカー美佳さん。彼女の経歴は華やかだ。アメリカ留学後、日本のテレビ番組の海外コーディネーターの仕事に出会う。
その後、日本に戻り番組制作会社でリサーチャー、大手芸能事務所で渉外、女優のマネージャーを経て、外資系音楽専門チャンネルとエンタテイメント業界を渡り歩いてきた。そして現在は「coco and ginger」だけでなく、マダム・タッソーのコンサルタントとしても特殊な業務に携わっている。一つ一つの出会いを大切にしながら、自身の中にある仕事への鮮度を常に意識してきた美佳さんに「人生を切り開いてきたモチベーション」を聞いてみた。
――今のお仕事との出会いを教えてください。
美佳さん:育児休暇中、バリ旅行で「coco and ginger」の服と出会いました。あまりの可愛さに衝動的に数枚購入したんです。その後、育児と仕事の両立を真剣に考え退職を決意するまでは、すっかり忘れていました。
けれどある日、突然、思い出したんです。引き出しから引っ張りだしてきて、ネットで調べてみた。「エコロジカルなコンセプト」に惹かれました。将来、誰かのためになることがしたい。エンタテイメントの仕事をしていたのも人をハッピーにすることが楽しかったから。人を楽しませたかったんです。そんな想いを思い出すと同時に、本格的に「coco and ginger」を日本で販売する決意をしていました。
――思い立ったらすぐ行動ですね。立ち上げまでの行動を教えてください。
美佳さん:「coco and ginger」は自分が素敵だなとか、楽しいと思える仕事になりえるプロジェクトだなと思ったんです。すぐに、エージェントを私にやらせてもらえないか、とバリのデザイナーに直接メールし、快諾してもらいました。メールのわずかなやりとりだけで、お互い女の子のママということも分かり、運命的なケミストリーを感じました。上手くいくかどうかなんてわからなかったけれど、せっかくチャンスをもらえるのだからやるだけやってみようと思ったんです。
美佳さん:現在はマダム・タッソーの仕事も加わり、仕事量が多くなってきていますが、不思議と上手く回せています。coco and gingerはもうすぐ始めてから4年になり上手にアレンジできるようになってきました。ひな形が全部できていますから、新しいことでもそこに追加すればできるようになっています。華やかな世界ですが、地味な立場です。私は裏方が好きなんだと思います。