映画『もらとりあむタマ子』が11月23日(祝・土)に公開を迎え、主演の前田敦子、山下敦弘監督らが新宿武蔵野館(東京・新宿)で行われた舞台挨拶に登壇した。大学卒業後に就職せず、父が一人で暮らす田舎に帰ったタマ子のぐうたらな日々を4つの季節ごとに描き出す本作。映画を観終わったばかりの観客の拍手に迎えられた前田さんは、「普段、私はよくこの映画館に映画を観に来るんですが、(お客さんとの距離が)近くていいですね。タマ子らしいと思います」とニッコリ。当初はこうして長編映画として公開される予定もなく、季節ごとに集中的に集まっては撮影してということが繰り返されたそう。「撮って少し空いて、また3日撮って空いて、という感じ」と述懐。父親役を演じた康すおんについて「そのままでいてくれるので、入りやすかったです」と語る。山下監督も2人が醸し出す親子の空気感について「決してベタベタした親子ではないので、撮影以外の待ち時間も2人は仲良く喋るでもなく、フラフラしてて、それがよかった」と満足そう。本作を通じて父親に対する思いも変わったのでは? という問いに前田さんは「うーん…」と思案顔。「別に離れて暮らしてるわけではないので別に…。映画を観てほしいとは思いますが。距離感としては(劇中のタマ子と父親と)似てるとは思います。仲は良いですよ」とタマ子さながらにのんびりした口調で答え、笑いを誘っていた。田舎に帰ったタマ子とのやり取りがクスリと笑いを誘う中学生の仁を演じた伊東清矢は「2人の関係がだんだんほぐれていき、こっちが上から目線になっていくところが好き」と語るが、現場では前田さんが「イジっていた(笑)」とか。途中、前田さんがヘルメットをかぶった伊東さんを叩くシーンがあり、前田さんは「あまりヘルメットが動かずに難しかった。何度もやりました」と明かしたが、伊東さんは「結構、痛かったです。でも言えなくてずっと耐えてました」と告白。初めてそれを知らされた前田さんは、観客の前での“告発”に「言ってよー!」と苦笑を浮かべていた。『もらとりあむタマ子』は新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。