俳優の窪塚洋介が11月13日(水)、都内で行われた出演作『ジ、エクストリーム、スキヤキ』のヒット祈願イベントに約25分遅刻し来場。「まさか地球時間だとか…。寝坊というミスを犯してしまった」と“窪塚節”で平謝りし、会場を和やかな雰囲気に包んだ。劇団「五反田団」を主宰し、映画化もされた演劇「生きてるものはいないのか」や小説「夏の水の半魚人」などで知られる前田司郎が、自身の同名小説を映画化し、監督デビューを飾った本作。主演の井浦新と窪塚さんが、あの大ヒット青春映画『ピンポン』以来11年ぶりの共演を果たした異色のロードムービーだ(当時、井浦さんはARATAとして活動)。井浦さんは「ヒーローはいつも遅れてやって来る」と、窪塚さんの遅刻にも寛大な態度だった。そんな2人にとっては、11年という歳月の流れはあまり関係なかったようで、「久しぶりと思ったのは撮影が始まって、一瞬だけでしたね。洋介くんだから、安心して(演技の)パスが出せるし、役者を飛び越えて、人として信頼感がある」(井浦さん)、「2人とも子どもと大人の間で、“こどな”なんですよ。自分は結婚したり、離婚したり、落っこちたり、いろいろあったけど(笑)、お互いそんなに変わっていないことを再確認した」(窪塚さん)。自殺に失敗した洞口(井浦さん)が、学生時代の親友で15年間絶縁状態だった大川(窪塚さん)を突然訪問し、なぜかスキヤキ鍋を手にエクストリーム(特別)な1日を過ごそうと海を目指すストーリー。旅のお供として、倉科カナが大川の同棲相手・楓を、市川実日子が洞口の元恋人の京子を演じるほか、高良健吾がチラっとゲスト出演しているのも見逃せない。ところで気になるのは、なぜ「スキヤキなのか?」という点。初メガホンをとる前田監督は「愛や恋、好きや嫌いという言葉は人によって意味がまったく違いますよね。その象徴として、家庭によってまったく味が違うスキヤキを選びました…。本当は何でもよかったんですけど」と少し照れくさそうに説明していた。そして「映画に関しては門外漢なので、普通の監督さんがダサい、古いと思ってやらないことをあえてやろうとしましたが…、実際にはソツなくこなしちゃった。そこが反省点ですね」とふり返りつつ、「公開が近づいたいまは、なかなか良かったと思う」と静かに自信を燃やしていた。イベントには、料理愛好家の平野レミが駆けつけ、豚肉を使った特製スキヤキを、井浦さんらに振る舞った。『ジ、エクストリーム、スキヤキ』は11月23日(土・祝)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。