来日中のソフィア・コッポラ監督が10月18日(金)、第26回東京国際映画祭の特別招待作品『ブリングリング』が上映された東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで、舞台挨拶を行った。来日は『SOMEWHERE』のPR以来、約2年11か月ぶり。同映画祭への出席は初めてとなる。「こうして日本のみなさんに直接会える機会を持つことができて、とても嬉しいわ。長年にわたるみなさんの愛情とサポートにも感謝しています」と挨拶したソフィアは、白いシャツに黒のパンツを合わせたシンプルなスタイリング。それでも、知的な華やかさを感じさせるのは、さすがファッションアイコンとしても注目される彼女ならでは。聞けば、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の新作だといい、やはりこだわりは人一倍だ。華やかなセレブ界に憧れるあまり、パリス・ヒルトン、オーランド・ブルーム、リンジー・ローハンらの豪邸をインターネットで見つけ出し、総額300万ドル(約3億円)にのぼるブランド服や宝石を盗み出したティーン窃盗団「ブリングリング」(=キラキラしたやつら)の顛末を描いた、ソフィア流のクライム青春映画。実際に被害にあったパリスが自宅をロケ地として提供している。映画化を決意した理由は「とても現代的な題材だと感じたから」だと言い、「誰しも若い頃には、悪ふざけしたり、過ちを犯すこともある。でも彼らの行為はあまりに極端で、驚きを隠せなかったの。セレブへの信仰やSNSといった現代の若者カルチャーを象徴する事件よね。10年前には絶対に起こりえないもの」と話していた。『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンが、本作では優等生イメージをすっかり払拭し、出来心で犯罪に手を染める窃盗団メンバーのひとりを熱演。「最初はエマを起用するなんて、頭にもなかった発想だった。でも実際に会ってみると、役に対する強い熱意を感じたわ。カリフォルニアなまりもしっかり習得してくれたし、見事な変身ぶりを見せてくれた」と大絶賛していた。前夜に開催された映画祭のオープニングセレモニーには、父で本作の製作総指揮を務めるフランシス・フォード・コッポラとともに登場し、グリーンカーペットを闊歩。「とても素敵な思い出になった」と満面の笑みを浮かべていた。第26回東京国際映画祭は10月25日(金)まで開催。『ブリングリング』は、12月14日(土)より渋谷シネクイントほか全国にて公開される。