クリント・イーストウッドによるアカデミー賞「作品賞」受賞作を日本でリメイクした『許されざる者』のジャパン・プレミアが9月2日(月)に開催され、主演の渡辺謙を始め、佐藤浩市、柄本明、李相日監督ら総勢11名が一堂に会した。オリジナルではアメリカ北西部を舞台にしていた物語を、明治維新から間もない蝦夷地(北海道)に移して製作。かつては“人斬り”と怖れられていた男が、再び刀を手にして賞金が掛けられた犯罪者の命を狙うのだが…。会場には約4千人の観客が来場。まず佐藤さんと柄本さんが左右の客席通路から登場し、会場中央に用意された花道へ。そして“真打ち”の渡辺さんは本人たっての希望で何と、2階席に登場! これには客席がどよめいた。そして渡辺さんは李監督をエスコートして再び1回客席後方から登場し、花道に登壇し佐藤さん、柄本さんと合流。舞台上では柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、國村隼、滝本賢一、小澤征悦、三浦貴大が迎え、メインキャスト10名と監督の揃い踏みとなった。イーストウッドから大切な作品を託され、完成へとこぎつけてお披露目を迎え、渡辺さんは万感の思いで深々と4,000人に向かって頭を下げる。イーストウッド作品で渡辺さんが主演した『硫黄島からの手紙』を撮影中に『許されざる者』の制作時のエピソードを聞かされたことがあったそう。「撮影中は『こんな暗い映画、一生懸命撮ってるけど誰が観てくれるのか?』と思いながら撮ってたと教えてくれました。僕らにとってはクリントは神のような人だけど、そんな彼も悩みながら撮っていたと聞いて深く感動しました」と思いを明かした。各キャストからは、過酷な自然の中での撮影の苦労に加え、李監督の演出の厳しさに対する怨嗟(?)のコメントが爆発! オリジナルでジーン・ハックマンが演じた街の支配者を演じた佐藤さんは、「バイオレンスな男ですが、ただそれだけじゃ李相日という男は許してはくれない」とニヤリ。柄本さんは3本目の李監督作品への出演だが「ホントにしつこいです!」とその粘着質な演出に脱帽。「大変ですが、俳優はそういう監督の到来をどこかで待っている。幸せな時間だったと思う」と語る。滝本さんは完成した映画を観て「完全に監督の手のひらで転がされていた」とその手腕に改めて舌を巻く。そんな俳優陣の言葉にも李監督は「粘る、しつこいと言った言葉はホメ言葉と受け止めています」と全く意に介さず? だが「個人的には映画が終わってみなさんの名前が上がっていくエンドロールが僕にとっての見どころ。安っぽい言い方ですが、関わった全てのキャスト、スタッフの血と汗と涙でできた映画。何度も心が折れそうになりましたが、みなさんに支えられてここまで来た」と、作品に携わる全て人々への感謝の思いを口にした。最後に再びマイクを握った渡辺さんは「観ていただければ何か感じられる強い映画になりました!」とこれから映画を観る観客に向けて呼びかけ、会場には4,000人の温かい拍手がこだました。『許されざる者』は9月13日(金)より公開。
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