映画『少年H』の公開を記念し、頭文字が“H”の子どもたち50人とその親を招待しての親子試写会が7月24日(水)に都内で開催。上映後の舞台挨拶に夫婦役を演じた水谷豊&伊藤蘭、そして彼らの子どもを演じた子役の吉岡竜輝くん、花田優里音ちゃんが来場した。累計発行部数340万部を誇る妹尾河童の自伝的同名小説を『あなたへ』の降旗康男監督が映画化。戦前から戦後にかけての神戸を舞台に仕立て屋の父、クリスチャンの母にその息子の“H”と妹の一家4人が時代に翻弄されつつも生き抜く姿を描く。劇中さながらに「H」と書かれたTシャツを着た“少年H&少女H”たちで埋まった客席を水谷さんは見渡し「Hですねぇ! なんとHの多いことか」とご満悦。子どもたちは夏休みに入ったばかりということで、子どもの頃の夏休みの思い出を尋ねられた水谷さんは「川で泳ぎましたね。映画の中のHと同じように何にもなし(=素っ裸)で。映画のあの感じは自分を見ているようでした」と懐かしそうに明かした。この日は客席の子どもたちからの質問・感想も受け付けたが、「平和を守れる大人になりたいと思った」、「倒れても立ち上がる家族に感動しました」といった子どもたちの純粋な感想を水谷さんと蘭さんは嬉しそうに受け止めていた。映画化が決まったときの気持ちを尋ねられると、水谷さんは「原作を読んで『この役はほかの俳優さんにやられたらたまらない!』と思った」と本作への強い思いを吐露。蘭さんは「こんなに面白い小説が映像で見られ、その中に自分が居られるなんてワクワクした」とふり返る。オーディションで出演が決まった吉岡くんは「京都の『すき家』で牛丼を食べてたらお母さんのところに電話が来てビックリしました!」と詳細に語り笑いを誘う。優里音ちゃんも「これまで東京のオーディションは受かったことがなかったので、『今度こそ受かるといいね』と言ってたんですが、おうちで決まったと聞いてお母さんが飛び跳ねてました(笑)」と喜びを明かしてくれた。さらに「何か撮影の裏話はありますか?」というベテラン記者さながらの質問が子どもから寄せられると、水谷さんは大喜びで「お父さんは記者ですか(笑)?」と逆質問。蘭さんは「防空壕のシーンで少し距離の離れたところから降旗監督が指示を出されて、肇(=H/吉岡くん)が『はい、はい、分かりました!』と言ったんですが、私はよく聞こえなかったので、『何て仰ったの?』と聞いたら『分かりません!』って言いました(笑)」と吉岡くんの横着ぶりを暴露。吉岡くんは「お恥ずかしい限りです(笑)。俳優としてあるまじき行為を…」と神妙に反省し、会場は再び笑いに包まれた。さらに水谷さんが「食事のシーンで、誰とは言わないけど、食べることに一生懸命でセリフ忘れた人がいた」と明かしたが、ほどなくその食いしん坊の正体は優里音ちゃんと判明! そうやって現場の思い出を語り合う4人の様子はまさに家族そのもの。撮影から時間を経ても、強い絆で結ばれている様子を覗わせた。最後に、水谷さんから「もう一度、この映画を観たい人?」と質問されると、客席の子どもたちはみんな、真っ直ぐに挙手。それを見て水谷さんは「サンキュ! みんなありがとう」と目を細め、退出間際には子どもたちと固い握手を交わし「楽しい夏休みを」とメッセージを送っていた。『少年H』は8月10日(土)より公開。