GW真っ只中。皆様いかがお過ごしですか? お天気はこれから下り坂のようだけど、連休前半は爽やかな快晴に恵まれました。GWはこうでなくちゃね~。風薫る5月も目前です。さて、GWと言えば映画ですね、映画、映画を観なくては! イタリア映画祭に行きたいし、試写で見逃したモノも一気に観たいし、資料で借りた何本かのDVDも観なくてはいけないし、逗子海岸映画祭もあるし、【フレンチ・フィーメイル・ニューウェイブ】も早く観ないと終わっちゃうし…。というわけで、なんだかワサワサしているかんじ。ついでにPCを替えようかと思案中。さて、GW前日の金曜日は映画3本立て。試写で『ニューヨーク、恋人たちの2日間』と『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』、そしてカンヌのコンペにも決まった三池崇史監督の『藁の楯』を鑑賞。その中から『ニューヨーク、恋人たちの2日間』をご紹介します。パリ生まれのマリオン(ジュリー・デルピー)はニューヨークでラジオDJのミングス(クロス・ロック)と、それぞれの子供と4人で仲良く暮らしている。ある日、パリから父と妹とその彼(マリオンの元カレ)が遊びにやって来るや平穏だった日々がドタバタに。ドタバタついでにふたりの関係も危うくなり――。仏の演技派女優、ジュリー・デルピーの初監督作品『パリ、恋人たちの2日間』の続編という本作、実に4作目の長編映画である。今回もまた、下ネタ満載、バカバカしく、けれど楽しいコメディに仕上がっている。脚本も手がけるデルピーは、妹役のアレクシア・ランドーと共同で書いて、客観性を持たせて正解。なんとも言えない軽いノリがいい。笑いの後に、ほんのり味わい深さが残る作品だ。『パリ、恋人たちの…』同様、本作でも異文化の違いの可笑しさ、面白味をデルピースタイルによって独特の軽妙さで見せる。深刻になるなんてヤボだわ、と言わんばかりに。同胞の破天荒を茶化す余裕に、機関銃のように飛び交うセリフもリズムも絶妙。コメディアンのクリス・ロックは神経質な役どころというだけで可笑しいし、お約束の実父のアルベール・デルピーのハチャメチャぶりには大笑いというか苦笑い。ダニエル・ブリュール、ヴィンセント・ギャロもカメオ出演で華を添えて。かつての可憐なデルピーはもはや存在せず、美しさを武器にする代わりに知性と才能とユーモアを開花させ、女優という枠を超えてクリエイションを謳歌している。眉を八の字にさせ、黒縁メガネをかけ、自分らしく生きる術を映画を通して見せてくれるようだ。恋人や家族の面倒くさい出来事は世界共通のヤッカイでシアワセな悩み事。そんなものは笑いの中に包み込んで、ニューヨークの観光スポットもコラージュのように魅力的なんである。公開は夏本番の7月末。