女性の皆さん、奔放な女に憧れますか?今回の『愛人契約』という映画、製作総指揮がウィル・スミス、監督が彼の妻で女優のジェイダ・ピンケット=スミスという超ハリウッド級なのですが、夫婦で…力を合わせて作り上げるような内容でしょうか?W不倫映画ですよ??まあ、夫婦仲が良いからこそできるネタではありますよね。さすがはハリウッド・スターの余裕。マーケティング会社に勤めるジュリアンは、仕事を優先するあまり妻と離婚寸前。人を愛する事を忘れ、心を閉ざしていた。そんな彼はある夜、バーで妖艶で魅力的な謎の女性マイケルに出会い惹かれる。大規模な企業買収のためジュリアンの仕事が繁忙を極める中、運命的に再会した2人は愛とも遊びとも言えないまま激しい肉体関係を持つ。ところが、マイケルには人妻という“秘密”があり、ジュリアンも心を傷つけられたある事件を“秘密”として胸に秘めていた…。ジュリアン役のジェイソン・クラークは、今年度アカデミー賞にノミネートされている『ゼロ・ダーク・サーティ』でもできる男キャラで出演しますね。注目すべきは、ミステリアスな人妻を演じるパス・ベガ。スペイン人女優の登竜門である巨匠ペドロ・アルモドバル監督作品の出身だけあって、黒髪と黒い瞳が情熱的なグラマラス美人。お尻が、素晴らしくエロス。同じくアルモドバル監督作出身で映画界の花形と言えばペネロペ・クルスですが、ペネロペの魅力がセクシーな中に見え隠れする少女のような無邪気さだとすると、パス・ベガはもっとダークで大人の魅力。ペネロペの方がちょっぴり年上なのですけどね。そして、検証したいのは真面目なジュリアンを虜にするマイケルの自由奔放さ。箇条書きでまとめるとこんな感じになります。 ・禁煙の場所で喫煙。そしてジュリアンの赤ワインで火を消す。 ・バーテンに断り無く赤ワインをつぐ。しかもガーターベルト丸見え。 ・セクシー衣装を身にまとい、墓場で『フランケンシュタイン』鑑賞。 ・常にスケスケ勝負下着、しかも黒。 ・ジュリアンを目隠しして愛撫、途中で友達と入れ替わってその様子を録画。 ・実は人妻。しかも夫公認不倫。 ・クリーム缶のノズルの先端についたホイップはお口でお掃除。 ・その他もろもろ。(省略)彼女は“自由で何にも縛られず好きな事をやっているだけ”“常識や一般的な概念の型にはめないで”と何度もジュリアンに言いますが、それが逆に常識を意識しすぎているような気がしてしまいます。彼女の自傷癖を考えるとなおさら、奔放な態度は常識を前提とした小さな自己主張にも思えます。本当に好きな事だけをしているなら、それが常識か普通かもしくは悪事か犯罪かなんてこと、考えないですよね。そして罪悪感も持たない。ただ、そこまで振り切れた女だと、たぶん多くの男性は引きます。ちょっとだけ奔放、でも意外としっかりしていて家庭的。これが男性にとっては理想的な女なのかもしれません。母親と娼婦の両面を持っていたら無敵です。かくして、仕事、家族、女…愛する心を失ったジュリアンは、真実の愛を見つけられるのか?そして、彼が隠し続けた心の傷とは…??型にはめられる、というか自ら型にはまる、というのは大人の選択のひとつとして存在していて、その道を選ぶというのは自由でいるよりも勇気がいることで、でも思い切って型にはまってみれば大事なものを発見したりするのかもなあと、しみじみ考えたりもするのです。●今週の一言「子供より大人の母親に向いてるの」子供を持たないのか?というジュリアンの問いに、彼にスプーンでごはんを食べさせながらマイケルが答える台詞。全国のマザコンのみなさん、ここにセクシーすぎる夢のお母さんがいますよ!放送は映画チャンネルのイマジカBSでご覧下さい!『愛人契約』(2008/アメリカ/ジェイダ・ピンケット=スミス監督)2月13日(水) 2:00~ほか イマジカBSにて放送★来週は金曜23:00~の官能映画枠【ラブシネマ】はお休みです。詳しい放送情報はコチライマジカBSのHPはコチラ