「行け!稲中卓球部」で知られる漫画家・古谷実が「ヤングマガジン」(講談社刊)に連載した異色作「ヒミズ」が、『冷たい熱帯魚』、『愛のむきだし』の園子温によって映画化されることが発表された。「稲中」などギャグ漫画家として人気を博してきた古谷さんだが、「ヒミズ」ではこれまでのギャグ路線を封印。“普通の人生”を望む男子中学生が、ある事件をきっかけに心に闇を抱えて普通とは程遠い人生を歩んでいくことになるさまを描く。人間の心の奥に潜む暗部をえぐり出した残酷な青春劇として熱狂的な支持者を生み出した。この過激な物語を、過激な暴力描写では引けを取らない鬼才・園子温が映画化することに! これまでに原作のノベライズ版が刊行されているほか、2004年には舞台化もされたが、映像化は今回が初めてとなる。撮影は茨城県で特設セットを設置して5月いっぱいをかけて行われ、すでに編集段階に入っているとのこと。気になるキャストだが、主人公の住田を演じるのは、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』に主演し、来年公開の『ALWAYS 3丁目の夕日 '64』への出演も決まっている若手実力派の染谷将太。そして、原作で住田と同じクラスという設定の女子・茶沢を『ガマの油』で鮮烈なデビューを果たし、最近では『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』のヒロイン役で強烈な印象を残した二階堂ふみが演じる。住田も茶沢も複雑な内面を抱えた役だけに、若い2人がどんな掛け合いを見せるのか楽しみなところだ。『冷たい熱帯魚』のヒットおよび国際的な高評価に続き、水野美紀を主演に迎えての『恋の罪』の公開も決まるなど、その勢いが留まるところを知らぬ園監督。どんな激しい描写で若者たちの内面をさらけ出すのか?『ヒミズ』公開は2012年春、シネクイントほか全国にて。