井筒和幸監督が3月12日(金)、東京・スペースFS汐留で行われた最新作『ヒーローショー』の完成披露試写会に来場し、約2年半ぶりに芸能活動を再開させる予定の女優、沢尻エリカにエールを送った。井筒監督は、監督作『パッチギ!』のヒロイン役に沢尻さんを起用し、国内映画賞の新人賞総なめの高評価を得て彼女がブレークするのにひと役買った父親的存在。取材陣から、沢尻さんの名が出ると「聞くな! 俺に」と怒鳴ったが、「実の親みたいになってんねん」と心配そうにつぶやき、約2年半ぶりにCM出演で芸能活動を再開させる予定と聞かされると「よかったやん。全然いいんじゃないですか? 捨てる神あれば拾う神ありですよ。一層磨きがかかって帰ってきたらええ」と温情あふれる言葉。また起用したい? の問いは「いまは『ヒーローショー』やから」とバッサリ切り捨てた。同作は、中途半端な日々を送る若者たちのもがき苦しむ姿を描く青春バイオレンス。井筒監督は、自作では初のR-15指定となったが「いままで食らわなかったのが不思議なくらい。名誉ある烙印」と大喜び。内容について「考えるチャンスがなく流されている若者や若いサラリーマンが2〜3日、学校や会社を休みたくなる映画を作った」と熱弁をふるった。一方、これまで沢尻さんのほか『ガキ帝国』で島田紳助と松本竜介らを俳優としてブレイクさせるなど個性的なキャスティング眼に定評があり、今回は吉本興業のお笑いコンビ「ジャルジャル」(後藤淳平&福徳秀介)を主演に抜擢。「吉本の製作やったから」とトボケたが「何組かノミネートしてもらって、周りの人はほかのコンビがいいと言ったけど、俺だけはこいつら2人や! って。今日初めて言うけど」と告白。映画初出演にして初主演の後藤さんは「(紳助さんら)その並びは恐れ多いですが、正直、ニヤけてしまう」とニヤニヤ。福徳さんは「僕のヒーローはやっぱりブルース・リー。あんな風に人を魅了したい」と話し、井筒監督を「おっ、いいねぇー」と喜ばせていた。『ヒーローショー』は5月29日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。