これだけの力があるのだから、もっと目立ってもいいのでは? そんなふうに感じてしまうほど、中村義洋監督は謙虚な人だ。映像化不可能と言われた伊坂幸太郎の原作を映画化した『アヒルと鴨のコインロッカー』で注目を浴び、『チーム・バチスタの栄光』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』など話題の原作の映画化をヒットに導いてきた実力の持ち主だが、本人はあまり自分を出したがらない。いつも口にするのは、「求められたことに応えているだけ」「観客が映画を楽しんでくれればそれでいい」。その言葉どおり、面白い原作を、原作の良さを残したまま映画らしくパッケージし観客を満足させてくれる。中村義洋監督とはそういう監督だ。そして、新作の『ゴールデンスランバー』は『アヒルと鴨のコインロッカー』、『フィッシュストーリー』に続く伊坂幸太郎の原作の映画化である。今回は中村監督が手掛ける伊坂作品に必ずキャスティングされる若手俳優・濱田岳と共に話を聞いた。
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