みなさん、夏はいかがお過ごしですか? L.A.では早くも9月21日に開催される、エミー賞授賞式(TV界のアカデミー賞と言われている賞)に向けて準備が始まっています。この間、権威ある芸能雑誌「ハリウッド・レポーター」誌と「ヴァラエティ」誌の記者たちとお話する機会があったのですが、それぞれの今年のノミネーションに対する考察はとても興味深かったです。彼らの分析によると、今年のノミネーションもやはり脚本家組合のストライキに大きく影響されているそうです。今年のノミネートは、4大ネットワークと言われている、ABC、NBC、CBS、FOX以外のチャンネルで放送されている番組から多く選出されており、FX、AMG、Showtimeなど、どちらかと言うと小さなケーブル局の番組が目立っています。そして、「LOST」、「デスパレートな妻たち」、「CSI:科学捜査班」などの人気番組はどれもストライキの影響でフルシーズン放送することが出来ず、ノミネートを逃す結果となったと見られています。これは単にストライキの影響だけではなく、時代の流れともいえますね。ケーブル局がよりエッジィな番組を追求している中、4大ネットワークは相変わらず冒険することなく、無難な番組が多い。よって、当然視聴者はケーブルへと流れていくわけです。事実、この1年で最もヒットした番組の中で、「マッド・メン」(60年代・ニューヨークの広告業界を舞台にした番組。私のお気に入りです)や「ダメージ」(アカデミー賞女優のグレン・クローズが敏腕女弁護士を演じています)などもケーブル局のものです。もうひとつ時代の流れといえば、リアリティ・ショーがエミー賞に評価されるようになったことです。今年初めて、「リアリティ・コンペティション番組ホスト」というカテゴリが開設され、「アメリカン・アイドル」のライアン・シークレスト、「ダンシング・ウィズ・ザ・ スターズ」のトム・バーゲロン、「ディール・オア・ノー・ディール」のハウィー・マンデル、「サバイバー」のジェフ・プロースト、「プロジェクト・ランウェイ」のハイディ・クラムがノミネートされています。それではまた最新情報をお楽しみに!写真は2月8日、ヴィクトリア・ベッカムがゲスト審査員として登場した「プロジェクト・ランウェイ」。左からデザイナーのマイケル・コース、ホスト役のハイディ・クラム、ヴィクトリア、ニーナ・ガルシア。© AFLO