2005年のベルリン国際映画祭少年映画部門でグランプリに輝いた『この道は母へとつづく』は、孤児院で育った6歳の少年が「母に会いたい」──ただそれだけの想いから自分の人生を変えようとする、ロシア発のヒューマンドラマだ。母を捜して…的な物語は珍しいわけではないが、ロシアの社会問題を見据えていること、実話がもとになっていること、そして何よりも主人公・ワーニャ役に抜擢された子役、コーリャ・スピリドノフの演技がいい。「もしかしたら会えるかもしれない」というかすかな希望が、「絶対に会える!」という力強さに変わっていくその心情を見事に演じきっている。
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