ここ数年で、役者として本当に成長したと感じさせられることしきりのヒース・レジャー。『ブロークバック・マウンテン』に続く純愛シリアス・ドラマの『Candy キャンディ』では、最愛の恋人が売春で稼いだお金をドラッグにつぎこむ詩人くずれのジャンキーを、彼らしい繊細な魅力で共感を誘うキャラクターに作り上げ、切なくエモーショナルな物語にすることに貢献している。演じる側にとってはさぞ難しかったのではと思いきや、意外にそうでもなかったのだとか。その理由を、彼はフランクな口調でこう説明してくれた。
「一番の理由は、アクセントを気にせず演技に専念できたからだと思う。僕はオーストラリア人だから、普段はたとえ特別な時代や場所の話ではなくても、アメリカ英語のアクセントを気にかけているんだ。でもこの作品はオーストラリアを舞台にした現代の話だから、僕は普段話しているアクセントのままに演じることができた。それはとても大きかったよ」。