「夏に観たい怖い映画」をご紹介している今月のコラム。稀代のストーリーテラーであった落語家・三遊亭円朝について、ジャパニーズ・ホラーについてと話が続きましたので、その流れでもうひと噺。映画『怪談』の元ネタとなった円朝作「真景累ヶ淵」。これに並ぶ彼の名作が「牡丹燈籠」であることはすでにご紹介した通り。実はこちらも映画化され、この夏公開というわけで、何やら今夏は“円朝祭り”の様相を呈しているのです。映画のタイトルは、『怪談・牡丹燈篭 もっともっと、愛されたかった』。偶然に出会った浪人・新三郎と、旗本の娘・お露。惹かれ合いながらも、身分の違う2人は、決して結ばれない運命にあるのですが。