口パクといえば、ブリトニー・スピアーズが口パク(?)疑惑で世間から非難を集めてしまったことが記憶に新しいところ。「歌手が口パクなんて…」とプロ意識がないというマイナスイメージが付きまとうが、『ボルベール<帰郷>』で魅せるペネロペ・クルスの口パクは一味違う! 本作でペネロペが披露する歌声は、実はフラメンコ歌手、エストレージャ・モレンテのもの。しかしペネロペの口の動きは見事にそのリズムと合致。本当に彼女が歌っているようにしか見えないが、これは数か月に及んだ特訓のなせる技。ペネロペはフラメンコ歌手の歌い方、身のこなし方を徹底的に研究し、体得してから撮影に臨んだという。アルモドバル作品には、『オール・アバウト・マイ・マザー』以来の出演となったペネロペ。本番では、観客の中にまじっていたアルモドバル監督に向けて歌ったというが、監督の期待に応えたかった彼女の、渾身の女優魂の成果はいかに——!? それは本作を観てのお楽しみ。ペネロペがスペインの太陽のように情熱的な女性に挑む、祖母・母・娘の3世代の女たちの人生賛歌『ボルベール<帰郷>』は、6月30日(土)よりTOHOシネマズ六本木ほか全国にて公開。