公開前から、ワールド・プレミアの開催や世界最速公開など、いろいろな意味で(映画業界内でも)話題となっていた『スパイダーマン3』が史上最短で興行収入30億円を突破するという記録を打ち立てた。5月1日(火)から6日(日)までの6日間での動員数は累計で2,578,255人。興行収入は3,187,565,250円。2002年に公開されたシリーズ第1作『スパイダーマン』と比較すると、(初日から6日間成績対比で)動員215.6%(1,195,373人)、興行収入185.9%(1,714,762,400円)、2004年の『スパイダーマン2』の同対比で動員209.5%(1,230,645人)、興行収入194.8%(1,636,637,900円)となり、シリーズ中でも最高の成績を上げることはほぼ確実だ。これまで続編というと、“前作比70%”が相場と言われていたが、ドリームワークスの大黒柱『シュレック』シリーズや、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなど、ここ数年は前作を上回るヒットを記録する続編が続発している。ちなみに、この2タイトルも、共にシリーズ3作目となる『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』、『シュレック3』が今夏、公開を控えている。果たしてこの3作目たちは2作目以上のヒットになるだろうか?今後も『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』、『オーシャンズ13』などの大作の続編が控えているし、昨年大ヒットを記録した『ダ・ヴィンチ・コード』については、同名原作の前日譚である「天使と悪魔」の映画化が決定している。『シン・シティ』の続編も製作中だし、『X-メン』シリーズのウルヴァリンを主人公にした、いわゆるスピンオフの製作の噂もちらほら。これら続編たちの動向も気になるところ。加えてこの秋には、2005年に大ヒットした日本映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編にあたる『ALWAYS 続・三丁目の夕日』も公開を控えている。『NANA』シリーズのこともあるし(2作目は1作目ほどヒットしなかったが)、確実に“続編”の波は日本映画界にも押し寄せている。オリジナル脚本が少なくなったと言われて久しいハリウッドだが、その響きにかつてのようなガッカリ感はない。今後も全米ボックスオフィス、そして日本映画業界を賑わす“続編&スピンオフ”の動きには要注目だ。