先週末、大学時代の親友が結婚しました。恥ずかしがり屋の彼女は「派手にはしたくない」と言い、ホテル内のチャペルで挙式を見守ったのは親族と私を含めた2人の友達のみ。ウエディングドレスもベアトップのシンプルなもの。厳粛な場では引き算のファッションが清廉さを際立たせるものですよね。お色直しをする人も多いけれど、私はよく似合うひとつのドレスでその1日を過ごすというのも素敵だと思う。色とりどりのドレスより、ウエディングドレス(花嫁衣裳)は何といっても特別ですしね。今まで出席した中でも最も静かな式でしたが、とても心温まるもので、私まで幸せな気分に。一緒に出席した友達は、妊娠9か月。なんだか、幸せムードいっぱいのひと時でした。結婚式といえば、そんなおめでたムードに包まれるものと思いがちですが、聞くところによると、そうとも限らないようですね。それに、最近観たフランス映画は、幸せなはずの結婚式が、ある愛の恐怖への入り口になるという物語。『石の微笑』というクロード・シャブロルの新作なのですが、原題は“The Bridesmaid”。妹の結婚式で出会った美しきブライズメイドに恋をする青年の物語です。式の様子は華やかだし、フランス女性のシンプルシックなファッションも見ていて楽しい。と、これだけ聞くと、幸せな恋愛ドラマかと思ってしまいますが、実は違います。作品に漂うのは不穏なムード。なんたって、愛に貪欲で、異常にロマンティックな彼女は「愛しているなら証拠を見せて。人を殺して」と言い出すのですから。フランス映画界が誇る美青年ブノワ・マジメル演じる主人公が、そんな女性にどう対応していくのかは映画を観ていただくとして、考えてみたいのは、愛は証明できるのかということ。証明できるか出来ないか、何が証明になり、何が証明にならないのかは人によって違うでしょう。ある人には、結婚することが愛の証でも、ある人にはそうとも言えないし…。そんなことを考えながら、自分の「愛」について、いろいろと探ってみるいい機会になるかもしれませんね。