また、彼に関わる女たちが歌い上げる60〜80年代の名曲の数々がたまらなく魅力的。ベアールがハリー・コニック・Jrの「IT HAD TO BE YOU」を、ドヌーヴがルイジ・テンコの「Ho Capito Che Ti Amo」を、ジェラルディン・ペラスがベット・ミドラーの「THE ROSE」をフランス語でカバー(「LA ROSE」)している。歌える女優たちが魅せる女性の芯の強さ──特に他の女の元へ行くと分かっている男を励ます元妻・アリスを演じたドヌーヴの美しさと強さは別格! 「アリスはとてもいやな女よ」とドヌーヴは言うが、女性はそんなクセのある熟年女に憧れてしまうのである。