愛する人と死別した経験を持つ人なら、きっと主人公アナの気持ちが分かると思う。ほんの10歳の少年が、10年前に突然逝った夫の生まれ変わりだと言って目の前に現れたとき、思わずそれを信じてしまったアナの気持ちが。とはいえ、ともすれば陳腐な二流ドラマになる危険性もあった本作を、ロマンティックな物語へと昇華させたのは、ニコールの美しさ。悲しみに暮れる未亡人アナを演じる彼女は、これまで観てきたどの彼女より、繊細に輝いているのだから。年下の(それも10歳の!)少年が好きになっても不思議ではない彼女の美貌は、この作品の鍵。