スタジオジブリ提供作品『王と鳥』(ポール・グリモー監督作品)が渋谷のシネマ・アンジェリカにて8月5日初日を迎えた。奇しくも『ゲド戦記』と同日公開となった本作は、高畑勲、宮崎駿の2人をアニメーションの世界に導いた不朽の名作『やぶにらみの暴君』のディレクターズ・カット版。本邦劇場初公開にあたり、字幕翻訳を手掛けた高畑監督は、その奇才ぶりに日頃から注目していた爆笑問題・太田光に鑑賞を依頼。作品を見た太田は、対談を快諾、“巨匠”と“奇才”による公開初日記念トークショーが実現した。司会「高畑監督は、なぜ太田さんに鑑賞依頼をしたんですか?」高畑監督「カンです(笑)。この映画はぜひ若い人にみてもらいたかった。実はジブリの機関誌にも原稿を寄せてもらったのですが、その文章を読んでカンは当たったと思いました。」太田光「どちらかというと宮崎さんに影響を与えたんだな、というのがわかりました。」高畑監督「特に『カリオストロの城』は、この映画の半分パクリみたいな…。」太田光「ぼくはそこまで言ってないですよ(笑)! それにしても『ゲド戦記』と同じ日にわざわざこんなイベント組むのは“宮崎アニメ潰し”狙いですか?」高畑監督「いやそうじゃなくて、お互いの相乗効果を狙ったわけです。」太田光「この映画に出てくる王様はとても親しみやすく愛すべき人柄なんですが、そんな人気のある人が悪意なくしてしまうことが、普通の人の生活を脅かしてしまう恐ろしさを感じました。私は折に触れてジブリの悪口を言ったりして嫁さんから怒られたりしたんですが(笑)、それは皆から愛されているものは、同じくらい恐ろしさを秘めていることを伝えたかったんです。」対談は太田の、作品内容に深く切り込んだ、しかし軽妙な話術が、高畑監督の作品解説とうまくかみ合い、内容充実のトークショーとなった。またトークショーの回のみならず、初回から全回満席が続き、シネマ・アンジェリカの初日動員新記録を達成した。夏休み一杯都内独占公開が続く。『王と鳥』配給:クロックワークス劇場情報:シネマ・アンジェリカにて公開中
新潟国際アニメーション映画祭で初来日、「カートゥーン・サルーン」ノラ・トゥーミーが目指す“アニメ”とは? 2024.3.14 Thu 8:30 アニメーションやマンガ関連の従事者を約3,000名以上も輩出して…