天真爛漫な少女ハイジ、透けるような青空にそびえ立つアルプスの山々、おいしそうな手作りチーズ……とにかく心洗われる要素がぎっしりと詰まった癒し系。原作があまりにも有名だと「原作は超えない……」と、期待薄になってしまいがちだがこの「ハイジ」は違う! ヨハンナ・シュピリの小説を読んだことのある人も、アニメーションの「アルプスの少女ハイジ」を見たことのある人も、大切にしまってある記憶を壊すことなく新たなハイジに出会えるのだ。その理由のひとつは何と言ってもハイジ役のエマ・ボルジャーの魅力。「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」でも愛らしさを放っていたが、今回はそこにたくましさがプラス。ハイジはどんな境遇に陥ってもすべてを"楽しみ"に変えてしまう力、さらに出会った人を"幸せ"にしてしまう力を持った少女なのである。もちろん、観客にもその幸せが贈られる。自分にとって「大切な人は誰なのか」「幸せとは何なのか」──映画を観終わるときっと大好きな人に会いたくなる、安らぐ場所に行きたくなるはず。あと、観る前にチーズ屋さんもチェック! アルムおじいさんの作るやぎのチーズを見たら絶対食べたくなるので(笑)。