6月に行われるサッカーのワールドカップ。サッカー好きの彼と一緒に、思いっきり盛り上がれるという人には楽しいイベント。でも、「ルールもわからないし、観ていて苦痛」という人もけっこういるもの。「全く興味を持てないことに彼が夢中で困っている…」という悩みは、どうやら世界共通のようです。『メリーに首ったけ』で注目を集めたファレリー兄弟の最新作は、どうにもわかり合えない世界の恋人たちに贈る、ドリュー・バリモア主演の『2番目のキス』。ビジネスの世界で成功を手にしてきたリンジーが、ひょんなことから知り合い、恋に落ちたのは、これまで付き合ってきたのと全く違ったタイプのベン。高校教師で、とっても素敵な彼なのだけれど、実は熱狂的なボストン・レッドソックスの大ファン。シーズン・オフ時は普通に生活している彼も、シーズンが開幕すると、すべては野球中心に回りだす。ロマンティックなパリへの旅行に誘っても、「マリナーズ戦を見逃せない」と断られる始末。何とか彼を理解しようと、一緒に試合に出かけて見るが、仕事も忙しくなってきて…。彼のことは大好きなのに、どうにも歯車がかみ合わない。さて、リンジーはどうするのでしょう。実はこの映画の原作は、イギリスの人気作家ニック・ホーンビィ(「ハイ・フィデリティ」)の小説「ぼくのプレミア・ライフ」。プレミアとは、英国のサッカーリーグ、プレミア・リーグのこと。アーセナルというチームを熱狂的に応援する男性と、“普通の”女性とのちぐはぐな恋愛を描いたもので、本国でもすでにコリン・ファース主演で同名映画化されています。同じ原作を持つ2つの映画を観ていて思うのは、所詮、男女は正反対だということ。好きな相手のために、歩み寄るのはいつも女性。男性は、いつだって女性から歩み寄ってもらうことを期待しているようで…。男は、順応性に問題ありといったところでしょうか。しょうがない人たちです。そこで、提案。もし今、あなたがスポーツ狂いの彼を理解したいと、切に願っているなら、すでにDVD化されている『ぼくのプレミアライフ』を観ること。特に彼がサッカー馬鹿ならば、ワールド杯開幕に映画を観て備えるのが得策です。そして、うんざりしそうになる気持ちを抑えつつ、7月には、『2番目のキス』を観る。こうやって、彼を可愛い奴だと思えるように、映画のヒロインたちから歩みよる技を盗むのです。ちなみに、私にもひとり、サッカー馬鹿の夫がいますが、私の対策は一緒に楽しんでしまうこと。長い年月を経て、今では自ら、かなりのサッカー・ファンとなってしまった私。もちろん、ドイツにも一緒に行って来ます!!『2番目のキス』配給:東京テアトル劇場情報:7月、渋谷アミューズCQNほか全国にて順次公開(c)2005 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.