待ってました! ジム・ジャームッシュ監督の新作登場。2003年に発表された『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス』の中の短編『女優のブレイクタイム』を別にすれば、なんと5年ぶりの単独作品。18年にもわたって撮りためられてきた作品がじっくり観られるのだから心底嬉しい。 さまざまなシチュエーションで映し出される“タバコとコーヒーのある時間”は11通り。そこで生まれる会話は、なんだかどうでもよさそうな話ばかり。それなのに、どれをとっても魅力的。なぜならそれは、タバコとコーヒーのあるひと時の中で生まれる、どうでもよさそうで実は大切な瞬間を上手く切り取り、観る側をやけにリラックスさせてくれるから。どの話も好きだけれど、エピソードとしては「いとこ同士」「いとこ同士?」の2話が特にお気に入り。そしてコーヒー好きの私が、映画の後、カフェインを求めてス○バに立ち寄ったのは、言うまでもなく…。