第83回アカデミー賞で最多12部門で候補に挙がった『英国王のスピーチ』を再編集して上映する計画に、監督、キャストらが猛反発。特に、助演男優賞候補で製作総指揮のひとりに名を列ねるジェフリー・ラッシュが強く抗議している。吃音に苦しむ英国王ジョージ6世が言語療法士の力を借りて克服していく姿を描いた本作は、スピーチ訓練の場面で発せられる台詞が、アメリカではR指定(17歳以下の鑑賞は保護者の同伴が必要)の対象となっている。全米の配給元であるワインスタイン・カンパニーは、問題の台詞をカットし、R指定をPG-13指定(13歳未満の鑑賞には保護者の注意が必要)に変更させ、客層を拡げて観客動員アップを図る構えだった。問題の台詞についてラッシュは「吃音症治療の一環なのだから、カットを考えるなんて残念だ。あれは早口言葉のようなものだ。別に攻撃的でも不快でもないし、有害なものでもない」と「The Hollywood Reporter」誌に語った。どうしてもPG-13指定が欲しいなら「ピーッと音を入れればいいんだ」と提案。「カットしたら、この映画の大事なスリルのひとつがなくなってしまう」と、ワインスタイン・カンパニーの意向に強い抵抗を示した。映画の舞台であるイギリスでは、ジョージ6世の娘であるエリザベス女王も作品を鑑賞し、気に入ったと報じられている。何も引くことも足すことも必要ないというお墨つきを得たも同然か?写真はサンタバーバラ国際映画祭に出席したジェフリー・ラッシュ。© CaptKirk/Starlitepics/Camera Press/AFLO特集「働く女子の心得『英国王のスピーチ』」http://www.cinemacafe.net/ad/kingspeech特集「2011年 第83回アカデミー賞」http://www.cinemacafe.net/special/oscar2011/