“新根室プロレスは2006年に北海道・根室市内でおもちゃ屋を営むサムソン宮本を中心に結成されたアマチュアプロレス団体で。所属メンバーは、全国的に注目を集めた身長3mを超える巨大レスラーのアンドレザ・ジャイアントパンダをはじめ、元テレビマンや銀行員など様々であり、それぞれ生活に困難を抱えながらもプロレスを通じて個性を生かし光り輝いていく。しかし、団体の人気がピークを迎えようとしていた2019年9月「難病・平滑筋肉腫と診断され…新根室プロレスを解散します」とサムソンから衝撃の告白が飛び出す。その後、東京・新木場の会場で行われたサムソンの引退試合には、超満員の300人が詰めかけた。結成13年間の感謝を込めて『13番勝負』の全てを戦い抜いたサムソンは「病気を克服して必ずこのリングに帰ってきます」と言い残しリングを降りたが1年後、家族に見守られながら55歳でこの世を去ったのだった。サムソンの死から3年が経過した2022年10月、活動を休止していた新根室プロレスのメンバーは東京・新木場のリングに再び姿を現す。
湊寛
安田顕